CubeSAT を受信する SDR ソフトは何が良いだろうか

ここのところ、ずーっと 人工衛星 CubeSAT

を追いかけている。ここ1週間ほどは日中に日本上空を通るパスが多くていろいろと受信してた。衛星は通常は CW でビーコンを送出しており、衛星の状態を知らせてくれる。テレメトリを見ていると、ちいさな衛星がけなげにがんばっているふうが楽しい。24時間以内にアップリンクが無ければ CW ビーコンは自動的に停止するようになっている。運用メンバーは文字通りサラリーマンがメインなので、日中の時間帯に合わせての運用が難しく CW ビーコンが停止していることも多い。

 

現在の受信システムは、以前にリポートした V-Dipole や クロスダイポールの固定アンテナと SDR ( Pluto-SDR、RTL-SDR )がメインとなっている。追尾用のローテーターも製作して使用していたが、妻がシーツを干す際にひっかけてアンテナを壊してしまい、それ以来、固定アンテナをメインにしている。高度が15度くらいから受信できる。

固定アンテナでは追尾に伴うハード、アンテナ操作がないため、SDR ソフトの設定だけで受信できる。そこで、これまでに使った SDR ソフトの使用感を書いてみる。

 

・SDR#

もっともポピュラーでシンプルで SDR 初心者には分かりやすい。追加の機能は Plugin で定義され、コミュニティパッケージとして入手できる。

Airspy の傘下になってから同社の SDR 専用化がすすめられているようで、Rev.1716 までは FrontEnds.xml のファイルに定義することで Pluto-SDR も使用することができた。最新版 Rev.1811ではそのような機能が無くなっており Pluto-SDR は使用できない。いまのところ使用できるのは AIRSPY、Funcube Dongle、RTL-SDR、HackRFone というところ。Rev.1800 以降 dotNet 5.0 が必要である。SDR# はもともと 32Bit 版で作られており dotNET 5.0 も 32Bit 版となる。これでずいぶんはまってしまった。

このソフトの一番の弱点は録音再生機能だろうか。予約録音は IFrecorder という Plugin があるが、きわめて使いにくい上に録音したファイルが当の SDR# で再生できない。ファイルの再生でPAUSE機能が無く STOP して PLAY すると頭から再生するので非常に使いにくい。

 ・HDSDR

SDR# と並ぶポピュラーであり、多数のハードに対応している。なぜだか、PlutoSDR は指定された ExtIO_Pluto を認識できずに使用できない。予約機能は充実しており複数の予約が可能で HDSDR を PLAY にしておかなくても録音できる。

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再生がうまくいかない。ファイルを指定して再生すると、なぜだか高速で再生してしまう。どこかに設定があると思うが。ファイル形式が SDR# と互換なので HDSDR で予約録音して SDR# で再生するなどしていた。

・SDR Console

以前はインストールしてから使用できる期間が1年くらいと、限られていたのであまり使っていなかったが、今はそのようなことはない。多くの SDR ハードウェアに対応しており非常に機能が豊富で予約機能もある。

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画像は予約を設定して受信中の物。画面の下側に進行状況が示される。予約は一個だけで、SDR Console を PLAY 状態にしておかないと録音できない。

録音したものを再生するときに PAUSE 機能あるので、CW のビーコンを見ながら解読することもできる。

 

こうやって見ると、CubeSAT の受信に限って言えば、予約録音と再生機能が良くできている SDR console がベストだと思う。SDR のソフトはバージョンアップが頻繁で一般的には1年以上前の記事は役に立たないところがある。この記事も賞味期限が短いです。