ステッピングモーター 28BYJ-48 のバックラッシュを測る

前回、バタフライバリコンを自作して MLA(マグネチックループアンテナ)を製作した。新たに MLA48 のメンバーが製作したバタフライバリコンを使って Patterson タイプの MLA を製作することになった。

バリコンアセンブリはこんな感じで、前回と大きく違うのはバリコンの駆動モーターである。

前回と同様にステッピングモーターで駆動することに変わりは無いが、モーターに 安価で小型の 28BYJ-48 を使用することにした。64 Step/Rev のモーターにギアダウンして2相励磁で 2048 Step/Rev として使える。AMAZON では 1個 300円ほどで買える。

 

前回製作した MLA では、モーターはバリコン軸に直結なので、回転方向を変えた時の遊びバックラッシュはない。このモーター 28BYJ-48 はギアを使っているのでバックラッシュがあり、同調・マッチングの調整がやりにくい。前回の MLA と同様にリモートチューニングにして、バリコンの位置を手元操作BOX に表示するのだが、バックラッシュがあると、その位置が再現性のないものとなってしまう。

CNC マシンなどではソフト処理でバックラッシュを補正することが行われており、今回の MLA のバリコン駆動ソフトでも対応するため、バックラッシュがどの程度あるか測定してみる。

 

測定の方法は、

 ・モータを時計回りに回し、確実に1ステップずつ動く位置で止める。

 ・反時計回りの駆動パルスを入れて、何ステップ目でモーターが動くかを確認して

  1ステップずつ動く位置で止める。

 ・再度時計回りに駆動してモーターが動き出すステップ数をカウントする。

 ・これを何度か繰り返して平均値を求める。

モーターは2相励磁のときには 0.18 °/ Step と小さすぎて分かりにくいので、図のようにモーターの軸にレーザーポインタを固定して、その光を3メートルほど離れた壁にあてて、動きを拡大して見ることにした。

測定の様子はこの通り、レーザーポインタをモータの軸に固定し、ESP32 ボードでパソコンからのコマンドで1ステップずつ動くように Arduino でスケッチを書いた。

レーザーポインタの光はこのように壁に投射される。動きが分かるように EXCEL で格子を作って張り付けた。

上記の実験を行い、結果、2相励磁(0.18°/Step)では 15 Step、1-2 相励磁(0.9°/Step)では 30 Step となった。

ということで、バリコンを駆動する際、モーターをこれまでと反対方向に回すときには、それぞれの Step 数を補正して表示することで正確な位置に再現できそうである。

このための駆動ソフトは、様々なケース、電源ON 時にどうするかなどを考えると、ちょっとめんどくさいものとなるが、やってみる価値はある。