中国製 SMA用トルクレンチのトルクを測定してみる

nanoVNA、LiteVNA と使ってきて、今のところ HF 用のアンテナの測定がメイン。せいぜいがところ VHF 144 MHz までがターゲットになっている。けっこうラフに扱っているが、精密な測定には SMA コネクタの締め付けトルク管理が肝要とのこと。

これから GHz 台のアンテナやら Filter をいじるつもりなので、トルクレンチを手配することに。Agilent などのきちんとしたものは、ものすごく高いので Aliexpress のお店から激安の中華なトルクレンチを購入してみた。購入時の値段は $24 ほど、今のレートでいうと 3,000 円くらいか。ちなみに AMAZON で「SMA トルクレンチ」で検索すると 7,000 ~ 50,000 円くらいのものが HIT する。

手もとの記録によると、SMA 用 0.57 Nm というのを購入したことになっているが、同梱されてきた試験成績書もどこかへ行ってしまったので、こちらのページを参考にトルクを測定してみた。

測定方法は、写真のようにレンチの 8mm の開口部にはまる M5 のボルトを固定して、バネ秤で押して 90度に折れ始めるときの値を記録する。バネ秤を押したときに中心に当たり、逃げないようにするためにインシュロックで固定した。

レンチの回転中心から、トルクをかけるバネ秤の位置までは 152mm である。よってここには

 1000 mm ÷ 152 mm = 6.58 倍の力がかかる。

SMA コネクタの管理トルク 0.56 Nm とすると、ここにかかる力が

 0.56 Nm × 6.58 = 3.68 Nm であれば良い。

何度か測定して、バネ秤の読みは平均 380 g となった。1 Kg = 9.8 Nm なので、このポイントのトルクの値は

 9.8 Nm × 0.38 = 3.72 Nm である。

よって、SMA の締め付けトルクは、0.57 Nm となり、ほぼ公称値 0.56 Nm と同じとなった。

機会があれば別の方法でも検証してみようと思うが、そんなに違った値でもなさそうだ。RF 関連の業務で使用するにはもう少し確認がひつようだと思うが、年金生活者のアマチュア無線用途には全く問題ないと思う。