LX200 Classic はパワーON時の初期位置は、真南、赤緯0度であるので、電源を落とす前に、その位置に動かして、OFFするようにしている。すると、再度ON して使用する際には、アラインメントはほぼ正確なので、近くの明るい星に向けて SYNC することで、GOTOが正常に動くことになる。初期位置に設定する前に電源を落としたりしたときには、あらためてアラインメントを行わなければならない。
初期アラインメントを簡単に行うため、天頂アラインメントというのを考えた。望遠鏡を天頂に向けたとき、赤径=観測地点の地方恒星時、赤緯=観測地点の緯度、となる。天頂に向けて、この値をセットすれば、アラインメント完了である。
問題は、天頂の検出である。LX200にも目盛環がついているので、そこに合わせても良いが、精度が悪い。そこで、望遠鏡を天頂のに向けたときの位置をマーキングしておき、レーザーポインターでその位置に合わせてアラインメントを行うようにした。以前に製作したのが、これ。距離が長くなるほど精度が良くなるので、鏡筒に鏡をつけて距離をかせいでいる。これは、鏡筒の場所を使ってしまうことや、電池交換しにくいなど、使い勝手が悪かった。
前回の製作では、マーキングポイントは鉛直方向でなければならないと思っていたが、どこでも良く、床にマーカーを作れば、精度があまりかわらないのではないかと気づき、再度作り直した。電池の交換をしやすくして、取り付けもくふうした。
100円SHOPから、かもいに取り付けるハンガーを購入。
これに、秋月電子から購入したレーザーポインターとリチウム電池BOX、スイッチを取り付けてユニットを作成。エポキシ接着剤で貼り付け。
これを床方向にポインティングするように望遠鏡に取り付け。
天頂に向けたときのマーカーを床にセットする。
実際に使用するときには、望遠鏡を天頂に向け、マーカーの位置にセットした後、赤径赤緯データを望遠鏡に送り、SYNCコマンドを送るようにする。
これを、自動的に行うように、以前にRubyで作成したプログラムがあるので、これをそおまま使用する。
プログラムの構成は、
1.シリアルポートをセットする。
2.LX200から観測地緯度を読んで、赤緯データとしてセットする。
3.LX200から観測地恒星時を読んで、赤径データとしてセットする。
4.SYNCを送信。
というもの。
LX200 には、内部に全天を網羅する250個のアラインメント用の標準星(ほぼ2等級以上)をもっているので、これらの中から近くの星にGOTOをかければ、ガイド鏡のLodestar画面の中に入ってくる。そうでなくても、ファインダーには入ってくるので、1等星しか見えないような明るい都会の空でも確認できる。星をCCD画面の中心に置いて、この星にSYNCをかければ、正確なアラインメント完了である。
昼間でもアラインメントができるので、17時ごろに木星に向けてみたところ、きちんと導入できた。