本棚 MLA(マグネチックループアンテナ)完成形とする

製作実験中の本棚 MLA(マグネチックループアンテナ)は給電コアのタップ切替をリレーで出来るようにしたのと 7MHz の同調を容量の小さなバリコンを使ってやるような切替回路を作って一次完成形とした。

前回からの変更は

1.ループの変更

以前はループそのまま引き出してクロスする形で給電コアを挟んで反対側にクロスしてバリコンを接続していた。ループを手前でクロスして奥側にコンデンサを’接続し、手前に給電コアをはさむようにした。

f:id:PanariLab:20220307152348j:plain

2.コアタップの切替モジュール

これまではタップをダイレクトにロータリースイッチで切替えて同軸ケーブルに引き出していたが、コアマウント基板を作ってこのようにタップをレーで切替えるようにした。

f:id:PanariLab:20220306081205j:plain

切替制御回路について当初は TTL ロジックでトランジスタドライバを切り替えることを検討した。データセレクター SN74138 などは LOW アクティブになり、回路規模が大きくなるので Arduino NANO によるソフトロジック制御にすることにした。

タップは 12 箇所なので当初、写真の左のようにロータリーSWで切替えて 12 段階の電圧を発生させ、Arduino のアナログ Port で読み取って制御を行ってみた。切替はうまく行くが送信時にリレーが誤動作する。

f:id:PanariLab:20220307160807j:plain

アナログ回路からの回り込みと考え、右のようにトグル SW4Bit 2進デジタル信号を生成して Arduino のデジタル Port で読み取って切替えるようにした。やはり送信時にリレーがバタつき誤動作する。Arduino の制御基板は給電コアの真上にあることもあり、影響を受けやすいのだろうか。

しかたがないので無骨に12回路ロータリーSWで直接駆動する方式にした。送信時にリレーが誤動作することは無くなったが、コアのタップ切替をやるとオリエンタルの Stepping Motor Driver の STEP や DIR のポートにノイズが入り誤動作してモーターが動いてしまう。リレーがON/OFFするときに電源を経由してスパイクノイズが発生するためだと思われる。

f:id:PanariLab:20220307161459j:plain

というわけで最終的に逆電圧ダイオードのついたトランジスタアレイ IC の入力側を制御して切り替える方式にして、やっとまともに動くようになった。

3.バンド切替のためのリレー回路

写真の大型バリコンは 20 ~ 1100 pF でこのループとの組み合わせでは 1.5 ~ 8MHz くらいまでカバーし 7MHz ではバリコンがほとんど抜けた状態で同調する。1ステップあたりの周波数変化が大きすぎてやりにくいので容量の小さなバリコンに切り替えて High / Low Bnad 専用化した。アマチュアバンドで言えば、左のバリコンで  7MHz 、右で 1.8 MHz と 3.5MHz のバンドで運用することになる。

他にもいろいろと改良・実験したいことはあるが、いつまでたっても完成しないことになるので、いったんここで締めて一次完成形として運用することにした。