トラ技 GPS技術交流会(OFF会)

トランジスタ技術2月号の特集は「GPS電子工作」、記事を執筆した方々を交えての技術交流会(OFF会)が昨晩あった。講師、トランジスタ技術編集部員を含めて、総勢30人ほどが参加した。
会は、18時30分に始まり、5名の方がプレゼンを行った。内容は、2月号の記事を要約した感じのもの。記事も読んでいたのだが、あらためてお話をうかがって、とても興味深かった。感想を簡単に。

岡本、高須両氏の「RTK法によるセンチ・メートル測位」
以前は、数千万円くらいかかったセンチ・メートル測位が現在では、数万円の機器で実現できるとのこと。GPS衛星だけではなく、ロシア「GRONASS]、中国「北斗」、EU「ガリレオ」の衛星も利用できる受信機が安価に入手できるようになっていることで実現可能になっているとのこと。試してみたくなった。

森榮さんの「GPS&OCXO搭載! USB-FPGAアナログ計測ボード」
このを使っての同期計測のデモ。はなれたところに置いた2個のボードで同じ信号(今回は、NHK ラジオ第一の信号を受けて、時間差を測定するもの。昨晩のデモでは、手違いがあったようで、うまく表示されないところもあったが、観測記録にナノ秒単位時刻信号を同時記録できるのが使えそう。離れたところでの流星の電波観測できれば軌道を求めることができそう。

加藤さんの「GPS周波数基準器の製作」
実際に製作された装置を持参してのお話。GPS周波数基準器は、違うやりかたで私も以前に製作しており、GPSの信号をきちんと捕らえることが精度を上げる道だと強調されたのが印象的だった。

志田さんの「GPSクラスの高安定度信号源を評価する方法」
測定の原理と市販の高級測定器を使った結果の解説。発振器の精度をさらに精度の高い測定器で評価できるのはあたりまえで、同等またはそれ以下の精度の測定器を使っての評価方法があるはずで、それらの手法を知りたかったのだが。

講演の後は、編集部が用意してくれたビールとスナックで懇親会。
お話をしていて、GPS測位などで疑問に思っていた「時刻・測位しているポイントはどこか」ということが解決。アンテナ~受信機間のケーブルが長くても、測定位置はアンテナ中心とのこと。時刻の場合にはケーブルが長ければ当然補正の必要があるし、アンテナも実際にはアンテナ中心からずれているものもあるそうで、実験するには、補正して行うのだと。センチ・メートル測位になれば、アンテナの大きさも問題になるのだ。
VLBIでも大陸間の基線長をミリ単位で求められるということだが、おそらく、この場合でも測定ポイントはアンテナだと思う。GPSのアンテナは動かないが、VLBIのパラボラは動く。どのように補正しているのだろうというのが未解決の疑問。

予定時間を大幅に超過して、22時過ぎに終了、帰宅は24時前でした。