20dB パワー ATT を仕上げる

ずいぶん前にヤフオクで入手した 100W 20dB の アッテネーター RFP-1398 、長いこと手つかずであったが、放熱器に実装して使えるようにした。使用した アッテネーター はこれ。

実装は、昔の CPU クーラーのアルミ放熱器を使う。もともとの高周波特性を生かすように、なるべくリードの配線が短くなるように仕上げたつもりだが、突っ込みどころ満載だろう。この ATT は方向性があるとのことなのでシールを貼った。

上記のヤフオクの出品者の情報によると、DC ~ 3 GHz まで使えるとのことだが、ネットで検索してみると DC~ 2GHz という記述が多い。なので、VNA で測定してみた。LiteVNA を使おうと思ったのだが、SMA-N 変換コネクタのわずらわしさを考えて SAA-2N を使うことに。

教科書通りキャリブレーションを行って 0~3GHz までの測定結果はこのとおり。

スミスチャートをみると周波数が上昇するにしたがって誘導性に振れており、N 型コネクタへの引き出し配線の影響によるところが大きいと思われる。リード線の影響と思われる自己共振が 1.3 GHz あたりにある。とても 3GHz までは無理で SWR = 1.5 以内というとところでは 700 MHz くらいが実用範囲だろうか。

アマチュア無線の 435 MHz までを想定して、あらためて 0~500 MHz の特性を取ってみた。

周波数特性は500 MHz までならフラットで SWR も 1.3 以下に納まっており、まったく問題なく使えそう。

もう一つ、かなり前に秋月が高周波関連のパーツを処分特価で売り出したときに購入したパーツで作ったダミーロードを測定してみた。やはり CPU クーラーのアルミ放熱器に取り付けてある。

1~500 MHz の特性はこのとおり。500 MHz の SWR は 1.5 なのでギリギリこのあたりまで使うことが出来そうな感じ。

これもスミスチャートで見ると誘導性に振れており、スペーサーを介して GND の接続など改良の余地がある。

このようなことも nanoVNAがポピュラーになって、気軽に高周波測定ができるようになって初めて見える世界だと思う。