フィンランド・ハンガリー6 ハンガリーの鉄道

ハンガリーの鉄道と銘をうったが、ブダペストの南駅(Deli)からヴェスプレムまで移動したにすぎない。感じたことを書いておく。

ブダペストから、ハンガリーの各地へは方面別に起点が違う。これは、ヨーロッパの首都では常識で、町の中心から、少し離れたところに環状にターミナル駅が建設されている。ロンドンでも、パリでもそうである。鉄道が発明されて、導入するときに、こんな煙をもくもくと吐く化け物みたいなものが街の真ん中に来ては困る、との発想で、当時の町外れに作られたそうだ。首都がそうなら、地方都市はなおさらである。

ブダペストからヴェスプレムに行くにあたって、鉄道で行くことにしていた。事前に、ハンガリー国鉄の時刻表HPで調べた。前にも記したように、空港から南駅(Deli)までは、エアポート・ミニバスで移動した。南駅は、伝統的な石造りの駅でなく、普通の建物だった。それだけに、逆に貧相に見える。切符売り場では、行き先、人数など必要な要件を紙に書いて窓口に出したのに、英語がしゃべれなく、ハンガリー語でいろいろ訊いてくる。後ろにならんでいた老人が通訳してくれた。1等か2等か(それは書いたはずだが)、55歳以上か?55歳以上であると答えると、10%割引してくれた。ヴェスプレムまで1等車で2時間、値段は一人1000円弱と言うところか。

ヘルシンキからブダペストへの飛行機の中で配られたサンドイッチをそのまま持ってきたので、飲み物を買って乗り込む。1等の車両は、コンパートメントが8個ほどあったが、2組しか客がいなかった。車両は古い。何十年のそのまま使っている。車両にはトイレもあるが、入ってみたら、線路が見えた。途中の風景は単調であまりおもしろくない。帰りはバスにしようと思う。

定刻になり、何のアナウンスも無く、汽笛を一声発しただけでゆっくりと発車した。様々なところで、外国の列車はそのようなものだと書かれており、チェコでもそうだったのだが、やはり、緊張と言うか、不思議な感じがする。途中、いくつかの駅に止まるが、やはりアナウンスはない。駅の表示も分かりにくいので、ヴェスプレムに到着予定時刻になったときには、途中駅の名前などを必死で確認した。駅はどこも街の中心から離れたところにあるため、単に駅舎がポツネンと建っているだけのことなのだから。

ヴェスプレムには予定通り13時50分ごろに到着した。日本風に言うと寂しい駅である。駅前には、カフェが1軒あるだけで何もない。到着時間に合わせてタクシーがあると思ったのだが、なかった。タクシーをどうやって、頼もうかとうろうろするうちに、いっしょに降りた乗客はバスに乗っていってしまった。事務所で聞くと、電話をかけて呼べといって、電話番号を書いてくれた。英語が通じるかどうかわからないこんなところで、電話でタクシーを頼めるわけもないので、写真の家族の迎えを待っていた3人組の女の子に頼んで公衆電話からタクシーを呼んでもらった。
イメージ 1

私の必死の形相に気おされたのかも知れない。
ヨーロッパで鉄道で旅するときには、本当に注意しなければならないようだ。