伊豆で猪をさばく

半年ぶりくらいで、みかんとりの手伝いと電気器具などが調子がわるいとのことで、妻の実家の伊豆へ。連休後の平日なので、踊り子号もガラガラである。
調子が悪いと言っていた、電話機の子機は、充電器の不調なので、交換して、接続をきっちりするように言う。ウォシュレットの水が出なくなったのは、電磁弁の故障のようなので修理を依頼する。雨どいにつまった竹の葉をとったり、冬篭りして家にはりついている虫などをはがしたりしてきれいにする。妻の両親も年なので、昔ながらの古い大きな家は、いろいろと手に余るようだ。

翌朝、何やらうるさいと思っていたら、猪がわなにかかったとのこと。このあたりでは、猪やサルの獣害がひどいので、わなをかけたり銃で撃ったりして駆除している。当然のことながら、ライセンスを所持してのこと。庭まで持ってきてみると、体長40cmくらいの小さな猪である。最近は猪も利口になって、大きな大人の猪は、わなにかかりにくくなってしまって、まだ経験の浅い小さな猪がわなにかかるようだ。

いつも猪を捕らえると、義父が解体処理をして、その肉を送ってもらっている。いずれは、自分でもやらなくてはならないと思っていたので、義父に教えてもらいながら、いっしょに解体処理をする。

まずは、内臓を取り出す。よごれが、撒き散らされないように処理するやり方をおそわる。注意しないと、ひどく汚れてしまい、後の処理が大変なのである。内臓は、かつては、きれいに洗って、モツとして食べていたり、猟犬に餌としてやっていたが、今は棄てている。レバーだけは、食べる人が多いので、取り出してきれいに洗う。
今度は、皮を剥ぐ。猪は毛が硬く長いので、豚のように皮ごと食べられるわけではない。良く研いだ包丁で根気強く切り離す。こどもの猪なので、ほとんど脂肪がついていない。
肉を切り出して、午前中には解体終了。小さかったので時間がかからなかった。大きなものだと一日がかりとなり、なま物なので作業を急がなくてはならず、たいへんなのだ。

正直言って、あまり気持ちのよい作業ではない。だからと言って、血や内臓を見たからといって、この肉が食べられなくなるほどやわでもない。午後には、あばら(沖縄で言うソーキ)を煮て、だしをとり、大根などと煮物をつくり、夕飯には肉を焼いて食べた。柔らかくてとてもおいしかった。
このような、解体処理も法律的にはどうだかわからないが、人に売るわけでもなく、自家消費なので、問題ないだろう。

最近では、鹿も出るようになってきたそうで、獣害がますますひどくなってきているとのこと。主要な畑のまわりには、電柵をはりめぐらしてあるが、この先どのような解決策があるのだろうか、途方にくれてしまう。