K6BEZアンテナアナライザの特性改善

先日来取り組んでいる、K6BEZアンテナアナライザー であるが、VSWRブリッジのFWD、REV電圧の検出には、Ge Diode 1N34Aを使っている。ダイオードの電圧・電流特性は、下図のようになっている。0.25Vあたりからは直線となっているが、0Vあたりからのところは、リニアではない。
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信号源として使用している中華DDS AD9850は、出力が低いため、ダイオードの非直線領域をまたがって使用することになる。
多くの場合、FWD信号は、「2」のあたりで検波され、REV信号は「1」のあたりを使うことになる。この結果、FWD信号は大きく、REV信号は、より小さくなり、測定されるSWR値は、ほとんどの場合、実際よりも小さく表示されることになる。MLAを使うときには、主に共振周波数を確認しており、これは正確なのだが、ソフトでの補正を試みてみた。

補正の方法はいろいろと考えられるが、今回は、既知のSWR値をもつインピーダンスで校正する方法をとった。
まず、1%の金属皮膜抵抗を使って、SWR値に応じたダミーを製作する。
SWR=1.0 50Ω
     1.5 75Ω
     2.0 100Ω
など

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これらを使って、アンテナアナライザで測定し、理論値からの誤差曲線を作成する。
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アナログメーターであれば、それぞれのポイントに目盛りをつければ良いのだが、デジタルなので、簡単にはいかない。グラフのそれぞれのポイントに応じた補正値を配列として持っておき変換する方法もあるが、今回は、関数で近似することにした。
統計ソフトを使って、パートごとに補正値を直線近似する。多項式近似がより正確だと思うが、シンプルに区間直線近似とした。この値をArduino のファームウェアに組み込んで、測定されるSWRを補正する。

Ge Diodeはバラツキが大きいようなのだが、FWD/REV 5組ほどの平均値を採用したら、ほぼ満足できるレベルになった。OP AMPの回路技術で補正するのが良いが、出来上がったものなら、この方法でも十分実用になりそうだ。