スペイン旅行 3日目

スペイン旅行 3日目 (バルセロナ)
 
 またマクドで朝食である。その日は面倒になってお店で食べた。街にはパン屋がごろごろしていて、大概はコーヒーも飲めるがいずれもエスプレッソで、たっぷりとしたアメリカンコーヒーをブラックで飲むのは初心者には不可能。せいぜいがとこ、お湯で薄めた「カフェ・アメリカーノ」とやらになる。マクドナルドは2種類あって、マック・カフェに行くと英語が通じ、ホットミルクも指定できた。これがお隣のマクドナルドだと画像が出てきてなお言語を指定できる自販機で食券を買い、クルーとやらに提出することになる。
 
 さて出発、駅で明後日から行くバレンシア行きの切符を買う。自販機は言語が指定できるようになっていて、下調べの通り難なく買うことが出来た。ツーリスト・クラスというのが事実上の1等席で、指定席でもある。今回は移動手段に贅沢をする旅ということになるのか?
 
その日は地下鉄に乗り、旧市街を歩くことにしていた。それでホテル足元のサンツ駅に行くのだが、探しても探してもR3番線がない。おかしいと思ったら、R3番線の入り口は駅前広場の反対側なのだった。これくらいの距離ならつなげばいいじゃん!大手町を見習えよ!とか散々悪口言いながら地下鉄に乗った。旧市街のカタルーニャ広場駅で降りる。昨日バスで通ったので、なんとなく土地カンは出来ている。大好物のスーパー、カルフールも発見。色々買い込みたくなったが、これからが長いのに、今買ってどうする~~!!
 
 市場も発見。土地の人もいるだろうが、観光客で一杯。お土産は現地だからこそ安く大量に欲しい派と、多少割高でも可愛くしつらえて欲しい派とがあると思うが、ここはどちらもある。しかしカルフール同様、旅はまだまだ続くのにここで買っても荷物になるだけ。代わりに買い食いに走ることにした。席は既に満杯で、客達は皆満足そうにワイングラスを傾けている。あっちのあれとこっちのそれとを一緒に食べたい場合、どうすればいいのか?
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それで買うだけ買って、市場の外のベンチで食べた。が。なんか美味しくない。やっちまった。つまりこれは学園祭のたこ焼きなわけで。欲しいと言った責任をとるべく、食べた。くく。
 
 次は大聖堂見学。広場では大道芸人たちが芸をしているし、エイリアンの着ぐるみを着た人がおっかなびっくりお金を入れてくれた子供と写真を撮っていた。近くにはお菓子屋さんがあって、大きなメレンゲを売っていた。ポルトガルではおっさんの握りこぶしほどのメレンゲを売っていて食べたかったが、果たせなかった。今こそリベンジとばかりに買う。ついでにトルコ風のお菓子も追加する。食べる。メレンゲメレンゲだったし、トルコのお菓子はトルコの方が美味しいみたい。当然だけど。でも、あんな巨大なメレンゲは日本にないし、トルコのお菓子はトルコ料理店で食べるしかない。ここはいっそ、美味しかったと自分に言い聞かせる。
 
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 大聖堂周辺はみやげ物屋に混じってきちんとした席でタパスやピンチョスを味わえるバル兼レストランが沢山あった。市場でワイングラスと共に自撮りするのは気持ちいいかもしれないが、本当のところはこういう店に入った方がゆっくり休める・・といいつつ、もうお腹に余分はない。店を見つけるにつけ、自分が憎かった。でもまあ、まだ後があることだし、いくらでも体験できるだろうさっ!と。
 
 思った以上に年をとっているのか、歩き疲れた。後で見たらこの日は万歩以上も歩いていたから当然だが、知らない街を徘徊するのを楽しみたいなら疲れたなんて言ってられない。だがやはり疲れたので、アシャンブラ地区のグラシア大通りを経て、ホテルに帰ることにした。この大通りに、カサ・バトリョカサ・ミラもある。ガウディなんて通り過ぎるだけでまだまともに見てはいない。石にかじりついても見なければ!
 
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 カサ・バトリョの横にはこれまた有名なカサ・アマトリエールがあり、その前には人だかりがしていた。カサ・アマトリエールは誰が見ても美邸である。だがガウディが設計したカサ・バトリョは仕掛けと意識の方向がすごい。いや、本当にすごいのはこれを作らせるパトロンの方ではないだろうか。で、ちょっと歩くとそこにはカサ・ミラがある。20ユーロ出して、入ってみる。日本語の解説も聞けるが、夫は20ユーロに驚いている。カサ・バトリョは22.5ユーロで、この調子で同じバルセロナのダリやらミロやらも端からクリアして行ったら、すごいことになる。なるほど若い人が個人旅行である意味がやっとわかった。バルセロナはつるんで行って裸で横になって日を過ごし、後で日焼けを自慢するようなバカンス先ではないのである。
 
 そこで夫が年金生活者の伝家の宝刀を持ち出した。その名も、シニア料金というやつで、パスポートのコピーを見せたら、いきなり20ユーロが10ユーロになった。夫、偉い!!
 
 カサ・ミラに入ると、まずは屋上に連れて行かれる。まあなんというかヘンな眺めですよ。ヘンだけど、妙に落ち着く。で、この色あいといい、何かに似てるなあと思ったら、それは外から見る多摩センターのサンリオ・ピューロランドだった。ごめんなさい。
 
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 それから居住区域に行くが、もちろんモデル・ルーム。それにしても一部屋が狭い。天井が低いからか?普通に住んでいる人々はどうやっているんだろうか。日本人ほどモノ持ちの国民はいないらしいけど、ここに住む人々は、ここに住むこと自体を趣味として、色々とそぎ落としていかないといけない。
 
 思いっきり疲れたが、地下鉄駅は目の前だ。そして駅から出れば目の前がホテルだ。バス・センターもタクシー乗り場もツーリスト・バスの停車場も目の前ではある。通うには便利。ゆえに16時からシェスタで、20時にホテルを出て街をさまよい、その日にやっと、目の前の通りをまっすぐ行けば様々な店があることを発見。中華もあればタンジール料理の店もあり、ミュンヘンもそうだったけど、大きな駅の周辺って移民の店だらけ。何故??しかし異教徒の店は日曜でも開いているはずだから日曜に行くことにして、今回はちょっとだけ高級そうな店に。
 
広い店には、たった一人先客がいた。小エビが入ったサラダを食べている。メニューはカタルーニャ語スペイン語で書いてあり、カタルーニャ語が先。ゆえに余計に混乱する。夫、スペイン語スマホに入れてきていたが、何をどう入れても出て来ないでイラつく。今思えば、カタルーニャ語を一緒に入れてくるべきだったわけで。
 
 給仕は英語を話し、英語メニューもくれた。夫、思わず小エビのサラダを注文。それはもしかして先客と同じものでは?上にかかっているのはオーロラソースだから、下手するとサイゼリヤと同じアレになるのでは?・・・運ばれてきたサラダはやっぱり、ほぼ同じだった。違いはサーモンが混じっていたことと、レタスの下に輪切りのオレンジが敷かれていたこと。そのオレンジも薄かったけど、輪をかけてオレンジの皮が、見たことないほど薄かった!
 
 先客の方に何か運ばれてきた。それは四角い灰色の板状の何かで、昨日「カルメン」で見たのと一緒だった。次に運ばれてきたのは、タコの脚で、かなり太いソレを客が板の上に置くといきなりジュワワーっと音がして勢いよく煙が立った。背広姿の紳士がたった一人で、ワイングラスの横でタコの脚を焼いている姿がなんとも不思議だった。
 
 だが。私たちの席に到着したのも同じ灰色の板だった。そういえば、石焼きのアヒルを注文したんだっけ。えええっ、石焼きって自分で焼くの?・・仕方なく意を決し、石の上にアヒルの肉を置くと盛大に水蒸気が噴出し、隣の席の女性がすぐさま身をよけた。ごめん。
カルメンといいこの店といい、同じものがあるということは、バルセロナでは客に自分で焼かせる石焼きメニューが流行っているのかもしれなかった。ガイドブックにはなかったから、郷土料理ではないだろう、と思う・・・ところで夫は子羊を注文したが、これが小さくてろくに食べるところがなかった。
 
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 帰りにビールを買った店ではアジア系の母子が店番をしていた。どこから来たのかと聞いたら、即座に「パキスタン!」と返ってきた。昨日の板前とはまた違う事情があった。何がどうなってバルセロナにいるのか。