スペイン旅行 8日目 バレンシアからムルシアへ

スペイン旅行 8日め ムルシア

 

 荷物や洗濯物をまとめ、ついでにアイロンがけアイロンは備え付けてあった)、床をささっと掃除して11時近くに事務所に部屋の鍵を渡し、駅に荷物を預ける。その目の前が、アジアン・マーケットなので、見物がてら水を買いに入る。見慣れたり見慣れてなかったりのなか、驚いたのは有り得ない大きさのピータン!!なんでこんなに大きいの?いっそ買って帰りたいと思ったという・・・意味がないんだけどね。

 

日本食は冷凍のどら焼き、カスタード味や抹茶味があるのを確認。入り口近くには米の10kg袋みたいなのがどすどすと積んであったが、そのうちの1種類は味の素と判明。

オタフクソースブルドッグソースもあるから、バレンシアの日本料理屋でも焼きそばは作れるはず?青ノリも探せばあるだろう。EUではカツヲブシが輸入禁止と聞いたが、今でもそうなのか。ダシ粉で代用するのか??店には現地のスペイン人も買い物に来ていて、おっさんがカップ麺や袋麺をカートまで持参して買いだめしていた。若いもんはファンタオレンジと、炭火焼と書かれた何かを手に持っていた。バレンシアでファンタオレンジ?

 
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 歩いてバレンシア大学付属植物園に。入り口にはいくつか注意書きがあり、そのひとつには猫の絵が描かれていた。それだけで言いたいことはわかった。先生に引率された小学生の集団もいて、猫がぱっと音もなく横切ると「ガート(ねこ)!」と目ざとい子供が声をあげ、指差す。木陰は涼しい。ガサガサっと大きな音がするから何かと思えばムクドリ。積もった葉の下にいる何かを探している。ずずっと奥まで進むと、やはり。おばさん二人と若い青年がひとり、猫にエサやりをしていた。どこの国も一緒だなあ。

 
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 農園を作って展示してあり、イチゴが実っていた。固くてあまり甘くなく、美味しくなかった。これは植物園の人の腕がヘボなのではなく、そういう品種なのである。輸送性を思えばイチゴの品種を固くする方向で改良するのも致し方ない。というか、日本にもこちらにも、2種類イチゴがあるべきなのだ。山盛りでサイズまちまちな酸っぱくて固いイチゴ(安い)と、甘く柔らかくて宝石のように形とサイズがそろったイチゴ(高価)と。

 

 植物園を出たらタクシーひろって昨日の美術館近くの戦争博物館へ。ガスマスクを装着した写真が展示されていたが、そのうちの1枚は馬もガスマスクを装着しているものだった。夫は厳かに「戦争とはそういうものだ。」と言ったが、私はもう、マジメな顔の馬がおかしくておかしくて。草生えるというか、草生えてもマスクしてたら草食えないし。ぷぷぷぷぷ・・・

 
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 博物館を出ると、旧市街やその先の駅はすぐ近くなので歩く。昨日は河川敷の公園を通ったが、今日はゼラニウムで満杯の橋を通る。仕掛けを見ると、沢山のポットに植えられていた。途中、コロンの市場方面をさす道案内があり、行ってみたらそれは観光市場で、カフェばかり。日本の食堂街のように種類があるわけではなく、似たりよったり・・、おっとそう言えば寿司屋があったよ!握ってるのは白人だったけど。

 
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 そのうちの1軒でお昼を食べる。白ワインにコロッケ、サラダ、イカフリット。まあしかし出てくるのが遅い。ピンチョスはとうとう到着しなかったし。日本とは違うということを時々忘れてしまう。これで25ユーロ。時間がないので、殆ど走って駅へ。荷物をとってヒイハアしながら着席。だが、出発遅れる。スペインだもの。

 

 後ろ向きに座ったまま電車は出発。ながらくそのままで、途中ALICANTE、またはALICANT(どっちかがカタルーニャ語。こういうことがあるので気をつけよう!)スイッチバックありちょっと前を向くことが出来たが、またスイッチバックあり、3時間半の道程の殆どを後ろ向きに進んで、ムルシア到着。席を反対側にするためのペダル、らしきものはあるので前向き?な夫はなんとかして席を替えようとして頑張るがダメ。やってきた職員に聞いてみたら、「ノー(ムリ)!」だって。ああああ、何故、何故皆、平気なのですか?

 

 後ろ向きではあるが景色は面白かった。日本では岩山だらけのはげ山なぞそうそうお目にかかれない。畑に植わっているのは、オレンジ、レモン、オリーブ。遠くの岩山の上に、石造りのゴシックな建造物が見える。領主様の城かそれとも修道院か。荒地の中に納屋を含む家はあっても屋敷林はなくて、こんなところだと、家父長制すごそう。兄ちゃんが寄り合いに行って帰ってきたと思ったら「カルメン、カルロスとの縁談を決めてきたぞ!」なーんて言われて、「えっ、どのカルロスなの、カルロス兄ちゃん!?」挙句に、「あたしが好きなのはそのカルロスとちゃうよ!」「なんだ、オレはてっきりあのカルロスが好きなんだとばかり・・」とかなんとか、ろくでもない妄想が浮かんでくる。

 
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それにしても平らだ。足場を組めば、収穫も楽勝でいけそう。かんきつ類は土壌中の水分が少ない方が甘く美味しく出来る。で、日本のミカンはそれを理由に山の斜面に植えられているわけだが、ここはそんな心配が要らないほど乾いているわけだ。というか、根付くまでが大変だろうけど。途中、ヤギも見えた・・そういえば、牛は一度として見なかったな。

 

 買ってきておいた果物をむく。電車はナイフの持ち込み自由だからいいですね、なあんて。

ひしゃげ桃は普通に桃で、普通程度においしい。ただしひしゃげたぶん、果肉が足りなくて損した気持ち??なぞの小さな果物は、洋ナシとリンゴの中間の味。こんなちっこいもの、作ったり摘んだり、よくそんな人件費が出る。季節労働者とか、出稼ぎとかがいるんだろうな。そうそう、ビワももう少しというか、普通に美味しい。オレンジもそう。はて、果物におけるインパクトとは?

 
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 ムルシア・デル・カルメン駅到着。ホームにはお迎えの人達が犬連れで待っていて、キスしあったりハグしたり、犬までおおはしゃぎ。「ねえちゃん、お帰り!カルロス兄ちゃんが車で待ってるよー!」とかやっているのだろうて。←しつこい

 

 それはいいのだが、ムルシアの市街は駅からちょっと離れている。改めて足を運ぶことを思えば、ここでまた次のチケットを入手しておかねばならない。つまり、マドリードまでのチケットである。切符は自動券売機はなく、窓口で買う。カンペとメモ用紙の出番である。カンペがあれば、スペイン語は話せるし、要望は伝えられる。聞きとれないけど。日付と目的地のマドリードの地名、出発時間、片道切符、大人2枚であることは隣のページに書いてある。

 

 普通に通じて、変更不可能なキップなら135ユーロが90ユーロになるといわれたんで、それで了承したら今度は相手が「わるい、間違えた。90は7月の料金で、6月は75だった。」と。バカンスシーズンになると電車のチケットも高くなるんだねえ。

 

ところで、現地語で何月何日と書く場合、数字で月の部分を書くと日と間違えたりして紛らわしいので、滞在中の月の名前くらいはメモっておくといいかもしんない。

 

 タクシーに乗ってホテルへ。到着は午後8時だった。目の前が小さな教会。夕食の心配もしなければ。ホテルのミリアムにお勧めの店を聞いたら、ここらへんはレストランだらけですよ、と。答えになっていないが、実際夫はムルシア一のレストラン広場の間近にホテルをとっていた。

 

 Zenitなるこのホテルはこじんまりしていて、ひきだしではないけど段々になっている靴下や下着を入れておくスペースがあり、バスルームは広く、洗濯物を干す場所が沢山あった。残念ながら電気ポットとコーヒーカップがないが、それは南欧を旅行するなら普通の話。

 

部屋を出て、周囲を散歩してみる。寿司屋があって、怪しい着物を着た女の子がお皿持って微笑んでいる看板をかかげている。覗いてみたが、職人は中国人のように見えた。RAMENなる店も見えて、CDやカップ麺が見えた。ヲタク向けのレンタル店なんだろうか。それで成立してるんだったら店もムルシアも日本も大したもんだ。・・・ところで、ラーメンって何語?

 

ホテルはす向かいのレストランに入る。英語メニューあり。このあたりは英語メニューが普通なんだろう。周囲を見回したら先客が1KGもありそうな、猫1匹がその上で丸くなれそうなステーキを受け取っていた。フィレンツェだったか、同じようなのを見たのは。こちらはカップルで分け合って食べていたが、フィレンツェはたった一人で食べていた。

 

温サラダ、チーズの焼いたの(バルセロナの「カルメン」で気に入った!と、グリルドポークを注文。有難いことに、ポークは普通の量だった。ふと、メニューの中にワサビをなんちゃらかんちゃら、醤油マヨネーズ添えというのがあったことを思い出し、給仕の人に「キエロ ワサビ イ ソイソース(ワサビと醤油ほしい)」と頼んでみた。直後、奥の調理場とその給仕がやりとりしていると夫が教えてくれたが、ちゃんと届いた。それでワサビ醤油でうまーく焼いた豚肉を食べることが出来たのである。もちろんワサビは粉ワサビだけど、久しぶりのワサビ醤油は美味しかった。そういえば次に民泊使うならお刺身についてくる醤油を持って行こうと思っていたのに、他のことに紛れて忘れていた。

 
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中国人親子が店番してる小さな雑貨屋でビールを買って帰る。元々旧市街じたい狭いものだけど、このホテルははずれにあっても非常に便利なところにあって、レストランも雑貨屋もバレンシアの民泊の部屋から建物の出口までの距離より全然近い感じ。

 

当の店では、ひょいと見て中国人だなーと思って「ニイハオ。これとこれねー。」と言ってビールを差し出すような買い物の仕方をしたのだが、別の日には同じ店でスペイン人らしき白人が「コンニチワ」と挨拶してるのを見た。日本人が中国人と思われることはあっても、逆はそうそうないはず。この、「コンニチワ」の人はRAMENの顧客に違いない!

 

もっとも、ここまで来てしまえば「RAMEN」がある方が不思議で、我々だって日本人というだけで、武士と芸者のカップルだと思われていても不思議はない。それで「こう見えても私の夫はアキハバラではその名を知られているニンジャのボスで、私はカラテを極めた芸者である!!」とかなんとかスペイン人向けに妄想してみたが、自分たちに関する妄想はいまいちはかどらなかった。