スペイン旅行 13日目 マドリッド

スペイン旅行 13日目 マドリード
 
 残すは1日のみとなった。2週間スペインに行くと言ったら、知人友人、皆すごいと言った。、中には夫と二人きりで2週間もすごせるのがすごいという人さえいた。お金はやりくりするとして、期間は確かに長くなりつつある。絶賛年金生活中ゆえ、航空運賃を考えると、行ったら行ったきりの鉄砲玉旅行の方がお得なのである。
 
 そしてこんな期間は大したことはない。そう言えるのは昔ギリシャで、3ヶ月をかけてヨーロッパを旅行中という60代くらいの夫婦に出会ったことがあるからである。「今、日本はどうなってますか?」と聞かれて、答えに窮した。今はヤフーニュース見ながら旅行出来る。
 
 さて本日は自分用を含めて、お土産を買わねばならぬ。お土産といえば、留守を守ってくれるお向かいの奥さんの分である。コショウひきがないと言っていたから、スペインっぽいコショウひきをお土産にしたらいいのでは?そんなのはデパートでけろっと手に入るはずだし。
 
それで昨日とは違うエル・コルテ・イングレスに入ってみて驚く。なんでこんなに同じデパートがあちこちにあるのかと思っていたら、店舗によって、扱う品目が違うのである。ホテル近くのとは違って、こちらは生活用品だの電気製品だのを置いてあるのだった。
 
 まあ生活用品売り場があるのは良かった。オリーブの木で作ったコショウひき発見!だがこれが中国製で。お向かいの奥方はテレビはNHK,新聞は朝日、雑誌といえば暮らしの手帖という人で中国製と聞いただけで「ああこれは・・・ダメですね。」という感じ。他のものにした方がいっか。
 
 この店舗にはコショウひきはあっても、コショウは売っていなかった。最上階のグルメ売り場とやらには生鮮食品は全くなくて、サンタクララ修道院製の高級クッキーとか、ハーブ塩とかそんなのばかり。代わりに、飲み比べ可能なワインバーのお店などがあった。つまりここはこういう店舗なのだ。こうなったら仕方ない、奥方へのお土産はヌガーだけにして、家に用意してある御礼の品を渡そう。空き巣に入られてなければ大丈夫なはずだ。
 
 気をとりなおしてホテル近くの店舗に行き、夫のシャツを買う。日本と違ってヨーロッパのシャツは色柄にバラエティがあって楽しい。恰幅の良い店員たちが「男のことがわかるのは、男!」とばかりに生き生きと仕事をしている。サイズ表記が日本と違うので、測ってもらってそれを元に探す。「なんちゃらかんちゃらどうのこうの」とスペイン語で話されて困惑するが、多分、「サイズがそこになくても、言ってくださればお探ししますよ」と言っているのだろうと解釈。他に何を言い出すわけもなし。
 
 シャツは2枚でいくら、みたいな中から、とにかく日本にはなさげでなおかつ浮きすぎない感じの柄を漁る。恒例の「どんで えすた?」を使い、「長袖のシャツはどこにありますか?」と聞いたりもするが、多分これは正しいようでもスペイン語にはなっていない。だが相手は一瞬の後、「アキ、アキ、アキ(ここと、ここと、ここ)!」と指さしてくれた。ぐらーしあす!
 
 この店舗の食品売り場のコショウはS&Bみたいな小さなビンに入っているもののみで、日本くらいのお値段。かわいい入れ物に入っているのもなければ、お得な大量入りもなかった。てことは、スペインにおけるコショウとは市場の香辛料売り場で買うものなのかもしれない。
 
 荷物をホテルに置いてまた出発。このホテルの立地は実に便利。
次はエンカルナシオン修道院に行くも、シェスタで閉じていた。それで殆どはすむかいの、10時から午後6時までノンストップで受け入れてくれる王宮に行く。公園をぬけようとしたら、
何人もの人が地下に降りていくのが見えた。暑くて大変だけど、こういうときのために地下通路があって、ダイレクトに行けるようになっているのね?と後を追って延々と階段を下りていったら、そこにあったのは駐車場だった。しかしトイレもあったので記念に使うことにして、また延々と階段を上ってわかりやすい道を歩く。
 
オリエンテ広場を横目に王宮に入ろうとして、そこでやっと気がついた。プラドだと思っていた入り口の風景は、王宮のものだった。正面玄関の前にはアルマス広場があり、その向こうには広々とした緑の濃い庭園があり、その向こうに下々が暮らすはずのマドリードの街が見えて、「なるほど王宮だ」と思ったはずなんだが。
 
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王宮には現在スペイン国王一家は住んでいなくて、公式行事などに使用されているらしい。2度目の王宮なのに、入り口広場の絶景しか記憶にないというのも、とんでもないですね、私。実際、王宮は王宮だった。ただし、王室礼拝堂だけがここで祈られたであろう内容を想い、その存在が心にしみた。
 
 道すがら隣のアルムデナ大聖堂を見る。着工から110年を経て1993年に20世紀に唯一、ローマ法王の献堂式が行なわれた、とガイドブックにはある。出来上がるまでなんでそんなに時間がかかったのか、法王の献堂式とはそんなにも滅多にないものなのか、わけがわからん。見てとれる新しさはステンドグラスの表現で、省略の効いた、いかにもモダンなものとなっている。
 
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 昨日とは違う、生ハム屋に入る。昨日のはマヨール広場から出てすぐの店だったが、今回はもう少し入ったところにあり、それだけで雰囲気は違った。レストランであろう2階にあがると女子の給仕に迷惑そ~に「コメール?(食事)」と聞かれる。スペイン語で「シ」と答えただけで女子、態度豹変。周囲の客は全員がスペイン人ぽい。体格的にどう見ても牛にしか見えない3世代の男がこちらを見ていやらしい笑い方をしながら何か話している。んま、牛のくせに生意気。なんでおとなしく牧場で草食べてないでこんなところで共食いしてんのよ!と心の中で思ったけど、生ハムの材料は豚でしたね。
 
 というわけで、ジョッキのビール、生ハムとメロン。生ハムは豪勢にのっかってきた。夫は豆の炒め物を注文。写真入と言っても全部の写真があるわけでなく、同じメニューにはグリーンピースのソテーがあり、そちらの写真はあったけどこちらは生ハム入りとあるからまあこれがよかろうと注文、久しぶりに食べた普通の炒め物は美味しかった。
 
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 ピッチャービールが効いている午後5時。イタリア旅行の途中から、南欧に行ったら昼には白ワイン1杯、ただしそれはこの後ホテルに帰って昼寝ということになってるからで、それでも2杯は飲まないよ?と決めていた。実際、この旅ほど「1杯ひっかけて」という言葉を使ったことはない。あれはまあ、結局、世間に負けたとしか言えない。皆飲んでるんだもん。
 
 ホテルに帰りたいと鳴く夫に、「今買わなくてどうする!」となだめ?すぐそこなのをいいことに昨日の茶色い店、その斜向かいにあるマサパンの店、そしてもひとつ現代的にカラフルにお土産らしくカワイイ缶と組み合わせてクッキーやチョコレートなど売っている店を巡る。
 
まずは茶色い店。入ろうとしたら中からお菓子を頬張ったお客が出てきた。んまあ、なんて大きなリス!茶色の店では大小さまざまなパックが用意されていたので、量り売りで、同じ値段であるという一帯から適当に選んでつめていった。ここのお菓子は基本的に素朴な味だが、素朴であろうとも美味しかったのは、ココナツマカロンと、カステラみたいなヤツだった。
 
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マサパンの店はもはや終末を迎えているなってくらい昭和の店構えだった。マサパンはスペインでは結納に使われますと言われたら納得できそうな。だがマサパンは美味い。トレドで食べたそれも、トルコで出会ったそれも、まあ結局は素材のアーモンド自体が美味しいからなのだが、とにかくマサパンやマジパンとあるからには最低限、美味い。なのでホールのケーキ(箱入りで、ラップされている)と自分たち用に小分けにされたのを買った。
 
カワイイ缶を用意してあるお菓子の店にも行った。母娘連れの中国人女子にニイハオと挨拶されたので、どこからきたのか聞いてみた。ホンコンかシャンハイ、それとも聞くと、ちんちょん、と言われてわからない。夫がそれは東西南北どこにある?と聞いたら西北である、と。それで重慶と判明。重慶くんだりからこんなとこまで来てお土産のお菓子を買ってるってことは、この人たち大層なお金持ち!
 
 ここのお菓子屋はバレンシアにもあった。とても華やかで楽しそうだったので量り売りのクッキーをフレーバーを選んで2つづつ入れてもらったがいいが、肝心のお味はといえばいまいちだった。お店の人はフレンドリーで、私がうんぽこ(少し)なりにスペイン語を話すのがとてもうれしそうだった。
重たい荷物を持って、ホテルに帰る。その日は面倒くさくなって、前日と同じ店に入ってしまった。この日の失敗はメイン料理、セビーチェとあったので聞いたことがあるというだけで注文、それが冷たい料理だったこと。冷たいのは前菜だけにしようよ!!
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