スペイン旅行 10日目 ムルシア

スペイン旅行 10日目 ムルシア

 

 昨日は祝日で、本日は土曜日である。我々は3連休のムルシアに来てしまったことになる。1週間以上いればどうやったって1日は日曜日になるのは当たり前だが、このめぐり合わせは惜しい。とりあえず恒例の市場見物に出た。すぐ近くの道すがら(ホテルの2軒先くらい?)、店の前に置いてある、ネットに入れた小ぶりのカタツムリ発見。日本では色々置きっぱなしでもモノが盗まれることはないと外国人に驚かれているらしい。しかしイスタンブールでは門口にパンがぶら下げられているのを見たし、ここでもカタツムリがただ置いてあった。当のカタツムリは盗難とは関係なしに自ら逃亡を図っていたが、家を捨てることはかなわず、網の目の間から身を伸ばすのみ。数時間後には本日のタパスとして、トマトと煮られる運命か。

 
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 市場はさすがにこじんまりしているが、2階部分もある。色とりどりの生ジュースなどは並べられていないが、当たり前だ。あったら驚く。だが代わりに魚屋の壁に、クレヨンしんちゃんの絵を発見!「shinchan」とあるから、そういう名前で放送されているのか。記憶によれば、みさえの胸はぺったんこ??だったか?こんなデカ乳しかいない国では中々の災難だ。問題はクレしんに馴染んだスペイン人が日本人女子を見て、「みさえだ!やはりみさえは胸が小さいのだ!!」とか納得されていたらちょっとアレだということで。うろ覚えではなく、このさい原典にあたる必要があると思った私である。

 

 明日からマドリード、なのでムルシアで気になったものは、今日のうちに消化してしまわねばならない。まず、ムルシア出身の彫刻家の作品を展示しているという美術館に行ってみた。宗教系を得意としていたとバスの解説が言っていた。彫刻と言っても着色されていて、工房による一大パノラマ2つ、そのほか殆ど実物大の最後の晩餐などもあり、なんとその作品は祭りとなれば氏子たち?によっておみこしよろしく担がれて街中を回るらしい。・・重そう。

 
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 さて、大通りを抜けてトラムに乗り、ショッピングセンターへ。土曜ということもありトラムは結構混んでいて、それでいてショッピングセンターは終点にあるので誰も降りない。暑い。お扇子持ってきて良かった。窓からは、遠くの岩山の上にまたゴシックな要塞のようなものが見え、手前にはタウンハウス形式の分譲住宅が見え、でも基本的には荒地みたい。イケアが見えた。終点で降りると、皆が進む方に行く。ショッピングセンターはいくつかの棟に別れていて、建物の外にはバスが止まっていた。行き先は、旧市街近くの大通り。帰りはこれに乗ろう!

 
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 ショッピングセンターは大した賑わいで、店によってはセールも始まっていた。賑わいすぎていて、たまに何か気に入って買おうとしても試着室もレジも長蛇の列。それで空いている店に入ってみたら29ユーロが19ユーロになるのはいいとして、サイズが42(日本だと13号)までしかないという、スペインにしてみれば、サイズ専門店だった。

 

 バカンスが始まってもいないのに水着が安い。ビーチサンダルも、1ユーロからあった。安いからと言って買いだめするものでもないが。スペインブランドであるデシグアルに入る。(同じスペインブランドのZARAもめいっぱい混雑していたので断念。)試着室から顔を出して夫を探していると店員が「何かお手伝いしましょうか?」と言ってきたんで例のごとく「どんで えすた?」を使い、私の夫 (み えすぽーそ)はどこかと聞いてみると、「アキ!(ここよ)」と返事がきた。日本だったら人のダンナがどれかなんてわかるわけがないが、ここでは東洋人は私たちだけだったので通用したのである。ちなみに夫を呼ぶのは、異国に目が慣れすぎて日本では着にくいものを買ってしまわないためである。旅先で勢いで買ってしまった服に困った経験がある人は多々いる。

 

その代わりに夏場に外国に行くときには派手すぎた色柄のものとか、衿ぐりや背中がくくれているのとかを持って行く。なんたって、あちらでは普通すぎるほど普通で、逆に日本人だったら普通である、日よけのための長袖や長手袋がイスラムの人に見えてくるほどなのだ。

 

 お昼だ。それでフードコートに行くがこれがまた混み混み。うどんの店まであって、あまり混んでなかったのでそちらに行ってしまいたくなる。人気は中華料理の食べ放題の店。入り口には何故かドラえもんの絵が描かれ、客席を覗いてみたら皆、5皿も6皿も重ねていた。スペイン人、すごい。お店の人も食べ放題にしたことを後悔してるんじゃないかしらん。

 
結局ピンチョスの店にした。席に案内してもらい、飲み物を注文した後で自分でピンチョスを選びに行く。さすがに地元向けのピンチョスは美味しかったし、何よりも安かった。時々店員が新たにピンチョスを持ってきて、勧めてまわる。何故かこのショッピングセンターでは双子が多かった。双子カートに乗っているのには時々大小があり、年子カートになっているのもあったが。
 
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 今度はバスに乗って大通り、その名もグランヴィアまで帰った。いかにもの郊外の風景。ショッピングセンターから帰る人もいれば、オシャレして途中から乗り込んできて、旧市街に行く人もいる。

 

 ホテルに帰ってひと眠りして8時。6月だから、外はぴかぴかに明るい。レストラン広場とは反対にある川の方に向かうと、ひっそりとしたレストランがあって、中では地元父娘らしきのが何かつまみながら飲んでいた。これは地元客中心の店、だからと言っても観光客だから入れないわけでもなく、中から店のおやっさんが出てきて「入れますよ~」と誘う。昨日のことを思えば、後からにした方がよさそうだ。昨日の、川の堰まで行ってみる。多分、スペインでは最後の川辺だし?

 

 3連休の中日、川辺も親子連れで賑わっていた。魚も時おり飛び上がるばかりでこれと言った動きはない。後で知ったが、ムルシアの夏は42℃にもなったことがあるらしい。幸いそこまで暑くはなかったが、川辺は夕涼みには最高の場所であった。

 

 近くにはもうひとつ橋があり、そこをウェディングドレス姿が通るのが見えた。見に行かなくては!どうやら川べりで結婚写真を撮ろうとしているらしい。スキンヘッドの父親らしき人と花嫁の妹らしいのが橋のうえでおしゃべりしながらそれを見ている。婿殿はといえば遠からず義父とお揃いの髪型になりそうな雰囲気。花嫁はそういうものなのか真っ白いドレスの裾を惜しげもなくひきずって歩いている。裾が黒い。これが現実なのか。逆か。日本人がドレスの裾をよっこいしょとばかりに持ち上げているのは、あちらにとっては無様なことなのだ。

 
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 そしてお嫁さんは一人ではなく、別の組もいた。こちらは介添えを二人連れてきていた。後ろ姿しか見えない。印象的な後ろ姿だった。これは遠からず双子が生まれると確信(失礼ですね)した。ほんと、どうやってユニクロはスペインで商売するのか。ニューヨークのだってXXLまでしかなかったし。

 
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 先刻のレストランへ赴くと、ちょうど何人かのスタッフがエプロンをつけ、身支度を整えているところだった。ムルシア初日の給仕はシューベルトみたいな顔で、2日目は修道僧みたいで、この日はといえば牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけていた。他のスタッフはといえば、絵に描いたようなスペイン顔だった。

 

 牛乳ビンの彼ひどい言い草)は「英語を話します。」と言った。夫が何を考えたか「スペイン語を覚えたいんだ」と言ったら、「あーそうですかいいですよ、それならスペイン語でトライしてみたらー?」と、スネたふりして行ってしまおうとする。(ぷぷぷぷ、カワイイ)それを、まあまあまあとなだめて注文。

 

 サラダはムルシア風、鶏のグリルに豚の煮込み。もちろんムルシア・ワイン。ムルシア風サラダというのは本当に田舎サラダというかなんというか、「野菜を食えと言っておばあちゃんが作ってくれるんだけどオレはあれがどうも好きじゃなくてさー。いや、せっかく作ってくれるってのに、悪いとは思ってるんだけどさー。」って感じのサラダだった。そして、鶏はともかく、豚の量は多かった。普通に、残すことなく食べた。いやその、ウェストはゴムだし・・・

 
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店の人にとって、みさえとひろしは思いの外大食いだということになったのかといえば、そんなことはない。普通の量を出して、普通に食べて帰ったというだけの話である。