スペイン旅行 12日目 マドリッド

スペイン旅行 12日目 マドリード

 

 まだスペインにいる。ホテルでは一人あたり15ユーロとのことで、結局朝食は、近くのスタバ。

 

本日の予定は、やはりツーリストバスを中心に。プラドに寄って、後はテキトーに。マドリードのツーリストバスは1日券が20ユーロで、2日券が25ユーロ。交通機関をこれだけと定めれば、高くはない。乗っているのは全員観光客で、スリはいない。いるかもしれないけど、全員座っている状態で、囲い込んだりは難しいし、彼らにとってはいささか経費がかかりすぎるのではないかと思える。コースは2種類あり、1つが80分ほど。日本語のガイドもあり、ただ、良く聞こえず。

 
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 マドリードのメジャーな観光スポットは王宮周辺とアトーチャ駅周辺に集まっている。ということは、どちらかに行ったら、その一帯をまとめて見てしまうのが時間的にもお得ということになる。が、我々はマドリードに来たのならまずはプラドでしょう。というわけで、見所があつまる王宮近くのホテルを出て、先にプラドを目指す。
 

 バスを降りるとプラドの外観は以前訪れた時とは違うように見えた。ハテ、石造りの広場の向こうにマドリードが広がっているような気がするが?入り口変えたのかな?ま、気にするまい。既に長い行列が出来ていた。日差しは強いし一瞬ひるんだが、行列はするすると進んで行き、思った以上に早く入れた。バレンシアでも思ったけど、ここに来てから名画の本物漬け。いやーゴージャス、見たことある絵があちこちに原寸大で並んでいるじゃん、と脳味噌に浮かんで自分にあきれる。「原寸大」なのは当たり前だっ!

 

いやもう、ここに来てからどんだけ「受胎告知」を見ただろう?「聖母子像」はもっと見た。あちこちで聖母マリアが天使に受胎告知されてるし、キリストにおっぱいをあげていたし、キリストはキリストであちこちで最後の晩餐に臨み、あちこちで蔑まれ、十字架にはりつけにされている。やっぱりゴージャスだ、なんとプラドでは名だたる画家たちが宗教や神話だけにせよ、同じテーマで描いた絵を一度に見ることが出来ちゃうわけね!

 

歴史上の人物、というよりは名だたる画家に描いてもらえた当時の偉い人も並ぶ。例えば「王女マルガリータ」で、ベラスケスに描いてもらえたからこそ、誰もが知っている。マルガリータの絵が何枚描かれたかは知らないが、嫁入り先のオーストリアハプスブルク家への成長記録として描かれて送られもしたゆえに、ウィーンの美術館で見ることも出来る。

彼女は結局15歳で嫁に行き、そこでベラスケスとは縁が切れた。その後、子供を4人産み、21歳でなくなったらしいが、ベラスケスと縁が切れちゃったゆえにマルガリータと言えば、なんとなく少女のままである。少なくとも私にとっては。大体、どーんと育ってしまった彼女を想像できるか?

 

ところでこのマルガリータの父親がフェリペ4世で、王としてはいまいちだったらしいが、審美眼だけは確実で、ベラスケスを王宮画家として囲い込み、彼の協力を得て名画を集めまくってプラドの礎を築いた、らしい。しかし残念ながら後継者に恵まれず、息子のために迎えた嫁の一人は息子が何もわからないのをいいことに、名画を実家に送ろうとして廷臣に阻止されたとか。廷臣、グッジョブ!

 

プラド美術館のあとは絵以外のものを見たく装飾美術館をめざすが、月曜日で休館。その場で行き先を適当に決めるとこういうことになる。そして休館日もそうだが、スペインはシェスタというものがあるので14時から16時はあちこち閉まってしまう。観光客としては、その時間はそのまま食事時間にしてだべっておくしかない。暑い風が吹くなか、食事に行った。

 

 生ハム屋で食事。ハモン・エクスペリエンスだったかムセオ・デル・ハモンだったか、とにかく旧市街歩いたら1階には生ハムがずらーっと並んでいて、沢山の人が生ハムをつまみに飲んでいて、写真つきメニューが置いてあったのでそこに入った。食事は2階。焼き魚定食と白ワイン。白ワインは小さなつぼに入ってくる。サングリアらしきのと、ビールがジョッキで出ていて、いくらだったか忘れたが、安い。ここではこれも名物らしい。隣のテーブルでは、韓国人のカップルが生ハムとメロンで格闘していた。生ハムは確かに薄く切ってはあるのだが、日本のよりはるかに厚く頑丈だ。そういえば生ハムと言えばメロンだった。ここにいる間に私たちも食べなければ!!

 
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それにしても、焼き魚を一口食べたとたんにあれっ?というほど美味い。これは御殿場のアウトレットで水飲んであれっ?と言ったのとは違う美味しさで、つまりは久しぶりだったので美味しかったのだと思う。日本を出てからこっち、羽田のラウンジの手まり寿司以来魚を全く食べていなかった。平均的日本人ははたして何日間、魚を断っていられるものなのか。そういえばクロアチアから帰って初めて醤油を口にしたときも、あれっ?となったっけ。

 

結局この日はバスに乗ってプラドに行って焼き魚食べておしまい。昨日のレストランのお客の言葉を思い出し子豚の丸焼きで有名なBOTINに行ったが、そこのレストランはお客の多さに殺気立っていて恐ろしいほどで、それでも後から後から予約なしの客が押し寄せてきて余計に殺気立つ有様だった。

ここで食事するには何日前から予約すべきなのか、それともどこかのコンシェルジェに握らせればなんとかなるのか。それを言うなら殺気だっているマネージャーに握らせた方が効率的な気がする。一度その、「いくらか握らせる」ってのをやってみたいと思っているが、ムリな気もする。世の中には生死をかけて握らる場合もあるというのに、子豚のために握らせるってのはばちあたりもいいところだし。あ、パスポート紛失したときに係りの人に握っていただくってのは国によってはあるらしい。

 

いったんホテルの方向に行き、そのまた先の大通りの裏道でよさげなレストランを探す。夫によれば大観光地の中のよさげなレストランとは、まずは店の表に椅子やテーブルを出していなくて(つまりレストラン1本でやっていて)なお、表通りから一つ、出来れば普通の人々が暮しているらしい場所にあること。

 

そしてちょっと間違えると本当に何もなさそうなところで見つけたのは、そこそこ広いレストランだった。なんと恐ろしいことに、メニューが昨日の店の半額でやんの。久しぶりに牛肉のカルパッチョなぞ食べるが、きちんとした量で、きちんとした盛り付けで来る。鶏肉はまだ食べていないのでここで食べた。

 
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気をよくしてワインをちょっと張り込むが、よく出る価格帯のものにすればよかったみたい。元々スーパーでもデパートでも、5ユーロどころか1ユーロのワインだってごろごろしている。この店のワインの平均価格帯は15ユーロだった。

 
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余談だがこの店の近くには「服部半蔵」なる店(この名前、スペイン人に発音できるのか??があり、居酒屋メニューが人気であるとのこと。ほかには中華も韓国レストランもあって、長い旅行の中休みに醤油休憩をとりに行くという手もあるかもしれない。知人は若い頃ヨーロッパに行って何日めだったかに「醤油・・醤油が飲みたい!」となったそうである。今のヨーロッパは駅でもスーパーでも寿司セットも醤油も売っているから醤油に飢えることもない。外国に行って醤油に飢えたといえばダサい感じもするが、本当のところはカタギの育ちである証拠だ。