スペイン旅行 14日目 帰国へ

スペイン旅行 14日目  帰国へ

 

 朝食はやはりスタバで。夫はホットミルクとクロワッサン、私はコーヒーとケーキ。帰るったってスペインを発つのは17時。空港は市街からタクシーで30分もかからないので14時にここを出れば大丈夫。それまでどうするかだが、とりあえずは荷物詰め大会。南欧の夏の旅行は洋服系がラクで実に有難かった。いざとなったらユニクロに走るったって、走らなくて済むのが一番だし。カーディガンが邪魔だなあと思っていたが、結局38℃を記録するマドリードでは薄いカーディガンならば着ている方が涼しいというのを体感。それにしても何故、白人の皆様はクソ暑いというのに肌を出していて平気なのか。

 

 荷物を預けて昨日見そこねたエンカルナシオン修道院に行く。血の溶解とはなんのことかといえば、この修道院に祀られている聖バレンタインの血のことで、3世紀の人であるこの殉教者の血が年に一度、7月27日に液体化する奇跡のことをさす。その日には熱心なカトリックが世界中から集まるらしい。宗教は思想だけではなく奇跡がないと成立しないのか?

 

 教会の受付では、ツアーでまわることになるが、そのツアーは11時45分からであり、スペイン語の解説しかないがよろしいかと聞かれる。了解、解説者と3人きりだったらちょっと気まずいけど、そんなこともないでしょう。

時間まで周囲を見物する。王宮の庭に下りようとしたら石垣では小鳥が巣を作っていて、雛にエサを運んでいた。庭にはタイサンボクが植わっていて、大木なのに枝が低い場所にあり、タイサンボクの花をこんなに間近に見たのは初めてだ。

 
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奥まで進もうとすると、何やら王宮の方からドンガラガッタと聞こえてきて、見に行けばやはり衛兵の交代。それとは違って広場の反対側ではトラックが停まり、そこから白と栗毛の馬が出てきた。乗るのは騎馬警官で、鞍やらあぶみやらを調節し、やがてかっぽかっぽと音たてて歩いて行った。カッコイイ。

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それにしてもよその国で衛兵の交代を見るたびに宮内庁は何をしているのかと思ってしまう。なんで皇宮警察検非違使の格好させて警備の交代をさせないのかと。立派な文化遺産があるのに使わないなんて、もったいなさすぎる。

 
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 時間になって修道院へ。即席ツアーメイトは10人くらいいた。その日も暑くて、私も扇子を使っていたが、彼女たちもスペイン扇子を使っていた。あちらの扇子は軸が木で出来ていて、結構ゴツい。帯に挟んだらぐえっとなりそう。だけど、いい音をたてて簡単に開く。

 

 解説は、ブルボンのイサベラがフランスからスペインに輿入れした絵から始まった。川を境にこちらがフランス、こちらがスペイン・・・それから後はわからない。フェリペ3世の命によって作られたこの修道院は、王家の女性たちが修道尼となって暮していたため、王家から絵画や彫刻などが贈られてお宝の宝庫となっている。なので解説してくれる女性のほかに、警護の人もついてくる。この修道院には遺骨の部屋があって、床から天井までぎっしりとお宝と一緒に遺骨の箱が積み上げられていて、中身が見える。頭蓋骨は小さいが子供のものというわけではなく、元々当時の人は小さかったはず。

 

 修道院を出て、また地下の駐車場のトイレに行く。修道院にはトイレはないし、はすむかいの王宮のそのまた向こうは大聖堂だしで、ほんと、昨日このトイレと出会っておいて良かった。まあとにかく暑い。マクドで水分補給。なんとここにはアイスコーヒーがあり、注文すると店の人が思いっきり氷を入れてくれた。道行く人を眺めながら氷ばかりのアイスコーヒーをすする。韓国人の女子が、足にバンドエイドを貼っている。わかる。私はバンドエイドは必要なかったが、毎晩足に休眠快足を貼って寝たもんだ。

 

 荷物をひきとりにホテルに帰る途中、生ハム屋の前を通る。ふと、いい匂いだと思ってしまった。日本では臭いと思っていたのに、2週間で慣れてしまったのである。

 

 タクシーで空港へ行く。空港の建物は1箇所だけではないので間違わないようにしないといけないが、そのうえで荷物預けて出発ゲートをチェックしに行ったらそれは専用の地下鉄に乗った先にあった。いやあ、買い物でだらだらしてなくて良かったねえとそのままラウンジで私たちはだらだらとくつろいでしまうのである。時間だというのでさてラウンジを出てみれば、免税品店では化粧品や酒はともかくとして、スペインならではの産品を割高なにりかわいくパックして山盛りだった。ヌガーの小さなパック、ワイン、チーズなどなど。しまった・・もう少し前にラウンジから出てくるべきだった。ドーハでは買えないじゃん!

 

 後ろ髪をひかれながらマドリードからドーハまで6時間。マドリードの時間では12時、だがこれから5時間の中継時間を過ごさなければならない。ラウンジでしばらく眠る。そろそろと言うので免税品店の方に行くと、面白くなるほど面白そうなものが何もなかった。ナッツは1Kg入りで、でもこれはカタール名物なのか??チョコレートもリンツゴディバなどで、デーツ(ナツメヤシの実ばかりが目立つが、羊羹っぽいアレを私はそんなに好きではない。

カルダモン入りキャラメルという面白そうなものを売っているが、これまた1kg入りで、2つ買うと1つおまけについてくるらしい。日本にないのは確かだが、1kgでも多すぎるのに2kg買った挙句にもう1kgもらってどうするのか。結局ココナツキャラメルを購入。これも多すぎると思っていたが好評で、するするとなくなっていった。何が悪いのかと言えば、試食がないのが悪い。免税売店の職員も、やたらいるわりには働いているようにも見えなかった。

 

 ドーハから羽田まで12時間。いわゆる客室乗務員が、とても夫になつく。来るときの便でもいっしょだったらしいが、降りるときには余ってるチョコレートとかナッツとかをたくさんくれて、若いくせに田舎のおかんみたい。あれはなんだったのかと思うに、身内の可愛がってくれたおじさんにそっくりとか、そういうやつだろう。

以前にも隣の席の若い女子が随分話しかけてくるなあと思っていたら、別れ際に「あなたは私の父にそっくりです。」と言われたこともあるらしい。それなら「パパにそっくりな赤の他人のおじさま」と一緒に写真を撮ればよかったのにと思うが、あまりにそっくりなんで事情を探るのに必死で、そんなふざけた考えまでは浮かばなかったとみえる。まあ、赤の他人でよかったですね。人間、年をとると今更そんな面倒くさいことに出会いたくはないものなのですよ。

というか、そういうのって私だけ?

 

羽田には夜10すぎ、割と早めに到着。金塊騒ぎで荷物検査は厳しくなっていたものの、荷物を開けられることもなく、もしかすると最終を逃すかもと思われたリムジンバスに乗ることが出来た。

次はどこへ行くことになるのやら、ここまでおつきあいくださり、ありがとうございました。