1年ぶりの台北

このエントリをまとめている最中に、台湾南部で地震の報があった。花蓮は行きたいと思っていたところ。倒壊したホテルは、向こうに行けば泊まっていそうなところ。救出活動がすみやかに行われること、なくなられた方々のご冥福をお祈りしたい。

先週、一年ぶりに台北に遊んできた。昨秋から体の調子が思わしくなかったが、12月には全快、まあ、快気祝いというか、ここよりも暖かいところでおいしいものを食べようという算段の3泊4日の格安パッケージツアー。例によって、妻による旅の記録。
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 1月29日。羽田行きのリムジン・バスは朝1番の5時、外は未だ暗い。乗客は皆、一人づつ、隣席を空けたまま1列に並んだ満席。窓の外には、そこだけが明るい地下鉄駅の入り口に、人がぽつぽつ入っていくのが見える。本日は月曜日。
 
 国際線ターミナルまで1時間。つるつると到着、つるつるとチェックイン、暇が出来たところで、肩こりの解消のため、中国人に大人気だという「ロイヒつぼ膏」を購入。本来ならばストレッチなどで自分で治すべき、という主義主張を持っていたが、肩の痛みで目が覚めるという事態にびびり、生まれて初めて貼るのに選んだわけで。空港の薬店ですぐに見つかるあたり、やはり人気なのだと納得。
 
 台北まで3時間半。飛行機は満席だった。隣席の人が来ませんようにと外道な祈りをささげていたら機内に入ってきたのは大きな白人二人組。まさかあれが?だが、彼らは別の席に座り、結局隣席に来たのは大きめの日本人だった。安いチケットなので、真ん中の真ん中という席なのだった。かくなるうえはと、とにかく時間を忘れるべく、音楽を聴いてすごす。
 
 到着。ガイドに連れられてゾロゾロとホテル行きのバスを目指す。「おかーさーん!こんなに持てないよ!」という声に振り向いたら、一人で巨大なスーツケース、そのほかバッグを3つ持っている娘さんが。お母さんは、「ダメな子ねえ」とは言わなかったが、明らかにそう思ってるな。ホテルは中山駅近くの「福泰桔子商務旅館林森店 オレンジ・ホテル」。お昼頃に着いたにも関わらず、チェックインは3時からとのことだったが、ちょうど部屋の掃除が終わったからと入れてくれた。四角四面でない対応に感謝しながら、昼寝。
 
 目が覚めて、街歩きをしよう!と起き上がって行く先は新光三越。徒歩5分のデパートへ、散々回り道して目指す。だが、改めて街を見ればうなぎ屋とか串揚げ屋とか、居酒屋とか、日式だらけ。そう言えばホテルの部屋の真向かいは窓いっぱいの日本海庄やの看板であって。いやあ、旅情をそそるなあ。トホホ。
 
 そこまで言っておいて、小腹が空いたからとセブンイレブンに入る。イートインになっていて、雨風防げて便利。驚いたのがお茶で、何げなく買った「御茶園」という名前のやつだったがこれが美味い!!ちょっと前まで台湾でも冷たいお茶なんて外道だったはずなのに、コンビニで普通にこういうものを扱うようになるとは。いくらでもお腹に入ってしまう美味しさで、びびる。
 
お土産はいつも消えモノのお菓子と決めている。「新東陽」のお菓子も好きだが、人に差し出すのならば、パッケージも美しいデパ地下の店が安心。そう思って行くくせに、新光三越は日系デパートだけあって見慣れたヨックモックとかPAULとか入っていて、逆にさびしい。現地で暮らす人々からすれば、日系のくせにたったこれだけしかないと思っているに違いないが。
 
 気をとりなおし、中国菓子のお店の品をみる。お土産を渡すべき友人知己は、甘いものは控えなければならない人ばかり。だが、そういう人々に限って我慢が出来ないし、我慢する気もない。だからこそ、少量でなおみっちりと、満足感があるお菓子を選ばなければ!
 
 台湾のお菓子屋は、しげしげと見ていると試食を出してくれることが多い。大抵の試食はダイナミックに大きいので、ケースの前で長居しないようにしないといけない。だが、いい感じのパッケージの、ちょうどいい大きさのお菓子を見つけてしまい、ついつい中身は何かと表記された漢字の解読に務めてしまい、そしたらいつの間にかお菓子を大きめに切ったものが置かれていた。しくじった。最低だ。美味しい。これから夕飯なのに!
 
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 結局、3日目にここで月餅を買って帰ったわけだが、帰国した日は雪だった。翌日、一人で雪かきをした知人に、呼び鈴を押してくれれば手伝ったのに!と言ったら、「あんな美味しいものを食べてしまったからには動かないと。」と答えられた。彼女に渡ったのはアーモンドの粉をたんまりと使った月餅。小さめを選んでよかったと改めて思う。
 
 ところで、台北は寒かった。沖縄でさえ20℃を切れば大騒ぎだそうだが、それより南のくせして13℃しかないのである。結局、ユニクロのダウンベストが重宝した。中途半端なコートの下に仕込んだのである。
 
 ホテルにいったん帰ってから、食事に趣く。さて、どこでゴハンを食べようか。窓の向こうは「日本海庄や」だ。現地在住日本人サラリーマンや日本人観光客が台湾や店の料理の悪口言いながら酒飲んでいそうな感じ。そんなこともないのだろうけど、日本の味を求めて日式居酒屋に日本人が行くとしたら、少しの違いも我慢がならないに違いない、と考えてしまうのである。くわばらくわばら。
 
 雨の中、よさげな店に入ろうとしたら予約で一杯。同じ通りには「台湾料理 青葉」があったが、案内された席が寒くて仕方ない。初日から風邪をひく余裕はないので、他の店に行く。そこは鶏が得意な店らしかった。それなら鶏を食べればいいものだが、何故か野菜から行く。
 
からし菜と貝柱の炒め物にしようと言う夫に、貝柱ごときで高いお金使うのはイヤだ、それよりは東京では食べられないへちまにしよう!とゴネあう。夫は贅沢しようよと言うが、飛行機まで使って安価なヘチマを食べる方が贅沢であって、ここぞとばかりに高いもの(実はヘチマもからし菜も値段はそう変わらなかった・・・を食べようとするのは貧乏くさい、と主張。後で思えばヘチマもからし菜も両方注文すればよかったのだが。大体、飛行機乗ってヘチマ食べようとするのは贅沢ではなくて物好きというものでは???まあとにかく旅先ではハイになる。
 他には豆腐と鴨肉の旨煮、恵方巻きくらいの牡蠣の巻き揚げ。牡蠣のほかにはエビだの魚肉だのが入っていて、美味。ビール3本も飲んで4000円ほどだった。飲み食いに夢中で写真をとるのをすっかり忘れていた。インスタ映えしない夫婦だ。
 
 隣の席は若い日本人男性二人だった。左利きの二人が向かい合って箸で食事してるのも面白い絵だというのに、5つも料理を注文していて、ひとつはチャーハンだというのに、そのチャーハンの山から始まってどんどん料理がなくなっていくのを見るのは壮観だった。
 
初日はこんなもん。