エジプト ナイル川クルーズ ギザのピラミッド→帰国

 朝3時半だったか、お弁当もらってクルーズ船を下船。ルクソール空港へ。
荷物検査は2度あり、最初は空港に入るためで2度目は飛行機に乗るため。ここの職員の手荷物検査はボディーチェックはやるけれど、荷物を入れるカゴを次に使う人たちのために戻す、といった仕事をやらない。ゆえに乗客が自分が持ってこなければならず、ひたすら渋滞する。多分ヒエラルキーとして、身分上やったらなめられるから絶対やらない系の仕事なのではないかと夫は言う。面子とは不便なものだ・・・

 搭乗を待つ間、トイレから戻ったら暇だからか夫、自分でリンゴをむいていた。これはやってみればわかるがプラスチックのナイフのむきづらいことむきづらいこと、ぺっと一切れリンゴの皮が床にとんだ。ありゃ、と言って拾うと、みていたツアーの女子グループがウケていた。
 
 ツアーメイトには、旅行先でまで夫の面倒みたくないと言ってる人がいたらしい。男というのは徹底してフルーツをむかないことでは定評があるらしいが、おお、あのおっさんはむいているぞと驚かれそれが下手で皮を床に飛ばしたと面白がり、奥さんがそれを拾ったぞとまた面白がり。早い話が全員暇だったわけですね。ちなみに奥さんはダンナのリンゴはむきましたが、自分は丸かじりでした。
 
 カイロ着後、モハメド・アリ・モスクに連れて行かれる。
別にボクサーを祀ったわけではなく、ボクサーの方が偉人の名前をもらったわけで。なるほど今までにない巨大なモスクではある。靴を脱いでモスクに入る。トルコのブルー・モスクを模してどうとかこうとか、だったらブルー・モスクを見に行けばいいのでは?
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寒いし、すごい廃墟感。本当に信仰されているのか?だったらなんでこんなに汚い、いえ、ほこりまみれなの?私はきれい好きではない自信があるが、こんな私にさえも掃除欲が湧いてくる。これからエジプトに行く人がいたら、激落ちくんとタワシ、お雑巾のご用意があれば、なお充実した旅行ができる、かもしれない。モスクの中には、なぜだか猫が。

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近くに軍事博物館のカンバン、夫は残念がる。
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 ハンハリーバザール。午前中だからか店はろくに開いてない。野良猫がたくさんいる。そのうちの1匹がよろよろと歩いていたら後ろからやってきたおじさんがビニール袋からざっと鶏肉やら何やらの残飯を道端に置いた。ネコ、ありがたくいただく。イスラムでは猫は神様のお使いだそうだから、迫害されることもなく普通におなかをすかせたりたまにエサにありついたりで生きているのであろう。ためしに残りもののパンをやったら食べた。
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 こんなふうにエキゾチックなところもあるが、概してきれいではない。
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 大多数の人は現地ガイドお勧めの店に行った。バザールの品物というのは。お菓子なら耐えられないほど甘いし、虫が入ってたりもするし、ナツメヤシなんていつから置いてるのかわかったもんじゃーない、と客から旅行社に不満爆発、それで多少お高かろうとも保証のあるところにと現在の状況になったらしい。虫、まではつまんで出して食べられると思うが、お菓子にご産卵なさってたらちょっと、いやかなりイヤかも。だがナツメヤシは元々干してあるので、店先に出してあるナツメヤシにおける変質とはどんなものなのか、どの時点から怒ったらいいのか。

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  にしても、面白くなかった。ガイドに禁じられた横道にそれたらスパイスを売ってる道筋に出られ、なおかつ現地のコロッケに出会えたので買い食い出来た。
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果物とかお惣菜とか全く売ってなくて、服とか下着とかの布系のものばかり。那覇の市場みたいなんだったらなあ。そろそろ時間なので戻ろうとしたら、通りの出口にお菓子屋さんが1軒。他にお菓子を売っているところは見えなかったので、これが虫入りお菓子を売る店なのかもしれず、っていうか、虫入りでもいいような気になって来る。カルフールに突っ込んさえくれりゃ、1000円くらいのチップならやるんだけどなあ。
 
 そこで昼食になる。・・・何を食べたのか忘れた。覚えているのはレストラン内で
1ドルショップが開催されて、ぼられることもなく値切らねばならないこともなく、定価で1ドルだというのでツアーメイトが沢山買っていたこと。こんな調子で5ドルショップとか10ドルショップとか開催すればお互いに楽なのに全く、とため息が出たけれど、向こうにとってはぼるチャンスもなく、値切りの駆け引きを楽しむこともできないからつまらないのかもしれない。計算がラクでいいよなーと、それくらいかな?
 
 午後。ギザの三大ピラミッド見学。もうここまで来たら何もかも一緒と言いたいところだが違った。見たのはメンカウラー王カフラー王、そしてクフ王のピラミッド。クフ王のピラミッドの重量は概算にして現在の日本人全体の体重と一緒だとかなんとか聞いたのち、ピラミッドに入場する。
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 入り口はちょっと登ったところにあり、手すりがないのでちょっと怖い。
だが本格的に怖いのはこの後で、ああこの階段を上がっていけばいいのですねと登り始めるがこの階段が長い。鉄の手すりを頼りに登っていくが、途中で腰を曲げた姿で登らねばならず、あと何mといった標識も何も全くない。後ろからも人が続くので、休むこともままならず、ただでさえ狭いのに、途中で反対方向から人が来る。ということは、この階段をまた帰って来ることになるわけ?嘘でしょ!!こんなことになると知っていたら、絶対入らなかったよあたしゃ!

 と、内心で文句たれるしかなかったのは苦しくて言葉にならないからである。
そしてただの石作りの壁の中ひたすら上り続け、たどり着いた目的地はこれまたただの石造りの石室で、櫃がひとつ、ぼけっと置いてあるだけだった。何の飾りもありゃーしないヒエログリフの彫刻もないお部屋は世界中の見学者の熱気を集め、熱いのなんの。熱気の逃げ場所がないからな。そして、同じ道をまた帰らねばならない。下りは下りというだけでましかもしれないが、腰をかがめなければならないのは同じで、なおかつ反対方向からも人が続々と。しかもこれが西洋人とくる。後ろで夫が「もっとシステマティックに誘導するべきだ」と当たり前にしてなお、今現在実現不可能なことを言っている。これがうるさい以外の何なのか。

 ツアーメイトの皆さんは余程丈夫なのか我慢強いのか、下調べをして多少鍛えてから来ているのか、誰も文句は言わない。バスに帰って「このピラミッド、何人死んでるのか聞きたいわ!」と思わず口に出すと後ろの方から「あはははっ、心不全で?」と。いや死因までは特定しませんけど、やはり死ぬ人もいるだろうなーと思った人は私だけではなかったわけで。
 
 説明だけして送り出し、自分は待っているだけの現地ガイド(太目)に、最後に登ったのはいつなのか聞いてみた。昨年11月?思ったより最近じゃん!なんでもガイドしながら週イチくらいで登っていたが、そうすると通路が渋滞して大変なので最近になってガイドは外で説明だけして、お客さんだけ中に入ってもらう方式になったらしい。するてえと以前はもっと大変だったわけか。そう聞いてスっとするのはなんでだろう?
 
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 三大ピラミッドのビューポイントに連れて行かれる。ラクダが沢山いる。このラクダこそが不評で、乗るのはいいが、降りるのが難しいと評判なのである。乗るのは1ドルだが降りるのは100ドルだったりするらしい。現地ガイドに相場をきいたところ、10分間で10ドルくらいとのこと。だが写真をこっそり撮ったり砂浜のランドスケープを歩いて行く隊列にうっとりするのはタダだ。もちろん初めて見るラクダの糞やオシッコなど、リアルな生態もめずらしい。
 
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 最大のスフィンクス。顔がない。髭がついていたが、現在それはイギリスにあるらしい。エジプトは「返して」と言い、イギリスは「貸してあげる」という態度だそうだ。子供が夫に一緒に写ってくれと写真ねだる。アメをやろうとしたら断わられた。なんでやねんと思ったが、カメラを持っているような良家の坊ちゃんでもあり、異教徒の女からの施しなどは受けてはいけないのかもしれないと思いついた。しかしながら一緒に写真を撮ろうと言ってくる。何がどうなっているんだよ、これって。帰りがけに寝てる犬をみつけたので最後のパンをえいっと放り投げたら犬に当たった。犬は何事かと思ったようだが何事でもないと判断、また眠り始めた。私はともかくとして、パンの立場は一体?

 ホテルに戻る途中にパピルス屋にも連れて行かれた。夫はパピルスの植物本体が欲しいと言うが、確か日本でもあったはず。パピルス屋では日本語の達者な店員がパピルスの作り方など見せてくれるが、和紙の丁寧さをを思えば簡単すぎて、なんだかがっかり・・。
店内は比較的きれいだったが、店の周辺はこんな感じ。 
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ピラミッドや王やヒエログリフの絵がついてるのでなくて、サラのパピルスが欲しいと言ったら、1枚1000円、何枚かまとめて買っても1枚あたり800円と言われ、こんな誰でも出来そうな、茎をつぶして縦横に編んで水分を圧縮しただけのものにそれはなかろうと断念。
 しかしパピルスもバナナの繊維で作った偽物があるのだそうで、安いのは全部そうなのだと。パピルスはとにかく長持ちするが、そちらはすぐに色がくすんでくるとかなんとか。パピルスもエジプトでこそ長持ちするが、湿気の多い日本ではどうなのか。
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そうそう、解散前にはガイドからツアーのメンバーに、パピルスに印刷されたクフ王のピラミッド入場証が配られた。それにはめでたくも赤い文字ででかでかと旅行社の名前が入っていて、夫によれば、こんなもんが入ってたら飾れもしないし台無しじゃないの!とガイドに詰め寄った人がいたそうである。よくぞ言ったというべきか、大人気ないというべきか。旅行社の名前の入った入場証、なんか、昭和の香り?裏にはハンドメイドのハンコ。「 Egyptian 」となるべきところが「 Egyption 」となっているところがご愛嬌。

 そんなこんなでホテル到着。ル・メリディアン。高級だあ、きれいだあ、嘘みたいだあとうれしいが、1泊のみで夕食は外だし、その後、寒い中「光と音のショー」を見ることになっている。この上風邪ひきがひどくなるのはなあと気持ちは落ち込む。
ピラミッドビューの窓からはクフ王のピラミッドともうひとつ、庭には日没のお祈りをしている人が見えた。 
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 でまあ結局、カゼ気味だしホテルで夕飯食べますと添乗員に言って、ホテルのレストランに行く。前菜はアラビア風メゼをひとつ、大量に来る。
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メインは子羊(今回初めてだ!)、シーバスの焼いたの。ワインは観光客の王道を行くべく シエラザード という名前のドメスティックワインを注文。
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それで二人分で9000円ほど。誘ってあげたら良かったと思う人々はいたけどそれはそれでモメる元だろうとも思える。
 
 翌朝。日本だ日本だ日本に帰るんだよん!と喜ぶにはなんというか物足りない思いが一杯。思えばホテルのレストランにもハト料理はなかったし。ああエジプトのカルフール見たかったなあ、お土産ったってガイドが手配したナッツが刺さったナツメヤシ、値段は一箱千円でどう見ても箱代だしバザールでなくてカルフールなら現地の皆さんが食べてるパンとか買ってお土産にできるのに。不味くてもその方が面白いに決まっているのに。(私だけですかね?)
 
 バスから高級住宅街を見る。庭が広くてお高いだろう水道代をふんだんに使った緑の庭、その奥に豪邸が見える。だけど門は砂まみれ、塀の足元はビニールのゴミだらけ。うちの近所の奥さんが見たら気が狂いそうになるぞ、これ。毎朝とは言わないが、たまにお手伝いさん(いないとは言わせない)に言って、ちょいちょいと掃いてもらえばいいのに、塀の足元のビニール袋だけで豪邸が廃墟に見える。現地ガイドに向かって、そういう意識ってエジプト人にはないんですか?と、こちらも聞かない。ないからこうなってんだろうし。
 
 空港、免税売店を見る。アーモンドが刺さったナツメヤシ、スーパーみたいなパックにぎゅうぎゅうに入っているが、ツアーのガイドが手配したお土産(上側)より安い。
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 その安いナツメヤシ(心なしかちょっと古い?)、300gのリンツの板チョコ11ドルちょい、(重たいので豪勢で安いような気になるが、100gに換算して400円)だ。
搭乗ゲートの近くのカフェ+菓子屋でアーモンドなどのナッツをふんだんに使った生菓子(?)も購入、ひとつ500円ほど。
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他にバラの浴用剤詰め合わせ39ドル(安い!)など買う。しかし、ここにあるならばあのカイロの街の中にもどこかにこれが、もちろんずっと安く買える場所があるはずなのだが、ついぞ見たことがない。私にとって最後の最後までエジプトは砂の中に埋もれた、お掃除が行き届かないところなのだ。 
 
 搭乗ゲート。ざーっという音に振り返ったら大量のM&Mのチョコを床にぶちまけている白人親子が。子供、床から拾って食べる。お父さん、止めない。だが搭乗時間となり、床に落ちたM&Mからひきはがされる子供大泣き。さっさと拾ってポケットに入れときゃーいいのに、ほら、子供だから永遠に空港の床から拾って食べていられると思ってる。まあ。
全部お腹に回収できたらそれはそれで問題が想像されるから、床に落ちたチョコとは早々にお別れするほうがいいのだね。
 
 カイロからアブダビに飛んで、アブダビエティハド航空の成田行きゲートのお土産のバラエティーには泣けた。以前にカタール航空で利用したときも、デーツとチョコレートしかなかった記憶があるが、来るときにはちゃんと中東っぽいお菓子が見られたのに、なんでゲートによってこんなに差があるのか。それが、帰りに限って何にもないとは、全く。
 
 帰国後はしばらく風邪のせいで寝ていた。ツアー中はあまりに忙しく早朝に起こされることも多かったので、時差ボケを自覚する暇もなく、帰ってからもその点だけは全く大丈夫だった。ツアーで旅行する利点の一つかもしれない。効率的な観光という意味では、初日に廻ったぶんだけで我々だけで行こうとしたら1週間くらいかかりそうだった。
 
 100均のパンツの人(ここまで書いて、違ってたらすみません。とても良い人でした、念のため)の人によれば、最初ツアーで大体のところを見てから次は個人で行くようにしているそうである。うちがまたエジプトに行くことがあるのか。行くとしたら2泊3日くらいでショッピングモールとカルフール(フランス資本のスーパーマーケットです、念のため)に行くことになるのか?頼みの綱のひとつ、「地球の歩き方」も2014年までしか出ていなくて、オークションでは倍の値段がついているそうである。円借款で作られるというエジプトの大博物館が出来あがったら考えてもいいかもしれない。
 
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 行く前に夫が見つけてきた「エジプトがすきだから」なる赤い表紙のカワイイ本がある。20年以上前に1泊170円のホテルに泊まり歩く女子二人組が書いた本である。てこずらされることに魅力を感じられない人でないとエジプトを個人旅行できないということがよくわかる。

そんなわけで、お疲れ様でした。