イタリア北部旅行 12 トリノ 市場など

 雨模様ばかりでどうもトリノとは相性が良くない。ここはいいところで、もっと楽しめるはずなのに時間も足りない。朝食を食べながら困っていると夫が「あのお婆さん、クロワッサン4つめだ!」とお知らせしてくれる。なんでも最初に3つ持っていき、その後おかわりをもらいに行ったそうである。ああそうですか、こちらはケーキを3つ持って行くおじさんを見ましたよっと。

 部屋に帰りその日の予定を立てる。夫、昨日使わなかったチケットで10番のバスに乗ってポルトスーザまで行き、昨日の周遊バスのバス停からまだ時間が残っているチケットを使って王宮前広場に行こう!と言う。ハテ、この人はなぜ明日は帰るというこの日に1時間に1本しか来ないバスを待とうなどと考えられるのだろうか。

 もちろんタクシーで王宮前広場に行った。バーゲン中だったお店で服も買った。どうせならぱーっとしたものを買えばいいものを、うちの近所でもイタリアでも浮かないような服を選んでしまう。そういう服も必要ではあるけれど。
 
 本日はB線に乗る。Bの路線は昨日のA線より30分長く、オリンピックスタジアムや自動車博物館、トリノ工科大学などを通った。よそ者にとってはあまり関係ないだろうと言いたくなるが、自動車博物館はそうでもないか。全く車に興味がなくてもイタリアの車と言われて3,4つ名前が出て来ない人はいないし、見れば楽しいに違いない。
 
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 バスから降り、食事に行く。お土産になりそうなお菓子を売っているところはない。お菓子屋はあって食べてみたい気はしたが、見ているうちにケーキに乗っかっている若葉色のソレが、アーモンドで作ったものならいいけどいわゆる砂糖衣だったらどうしようとか考えはじめ、夫は夫でお昼にお菓子なんぞ食べたくないと言いやがる。
 
 はあ?ここまでつきあってきた妻にお菓子の一つもあてがわないなんてこの人でなし! くらいのことは言ってもよかったのだが、当のお菓子、なんかこう、日本のお菓子からすると作りがいまいち雑?しかしこんなことばかり繰り返していると「もう海外なんて行かなくてもいいや!」ということになるのだが。
 
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 結局、水、そしてサラダをシェアして食べる。たかだかサラダをシェアして食べるのは貧乏くさい気がしないでもないが、もはやイタリアでもシェアするのは普通になってるようだ。こちらも1皿の半分で十分。ここのサラダは店頭に見本が出してあって、ものによっては温めて出しているようだった。お願いして、写真を撮らせてもらった。今度おうちで作ってみよっと。
 
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 お菓子を買いたがる私に夫は「市場ならあるかも」と言う。市場は王宮の裏手にあるので地味に行ってみる。最初にたどり着いたのは青果市場で、行けども行けども野菜野菜にフルーツ。商品は一緒で小さな屋台が一杯。こんだけの数の店に対してお客さんはどれだけ?どう見ても店の方が多すぎるように見えた。
 
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 越えて屋根のある建物に入ってみる。そこにはパン屋の他に冷房が必要な肉類や、チーズなどの店が集まっていて、ヌガーなど扱うお菓子屋もあった。見ていると試食をくれる。バラまき土産にちょうどいいので100gづつ買う。これもどうぞと夫に小さなコップが渡され、白ワインかと思ったら蒸留酒だったのだそうで、そしたらレモンチェッロかなんかか?私は飲んでないのでわからない。
 
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 アーモンドの粉で果物をかたどったマジパン菓子も買った。作りはいまいちだが、日本ではあまり見ないので喜ばれる。100gいくらで売っているので、逆に各種3つづつ指定して、重さを計って計算してもらった。味は甘すぎる感があったが、どうせ皆食べない。ぎりぎりまで友人一同に見せびらかし、ある日カビを発見するのが運命というお菓子だ。多分外国人も日本で落雁とか買って、同じようなことをやっているのではないか。
 
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 そのまた隣のガラス張りの建物に入ってみたら、そこはフードコートになっていた。夫、座りたいというのでそんじゃまあアイスクリームでも食べますかと。アイスクリーム屋はへらへらした若者がやっていて、まずは容器の大きさから聞き、次に何がお好みかと聞く。そんなこと言ったって、30以上も並ぶアイスクリームの容器は全てフタがされており、名前もついてない。
 
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 ヘラヘラしながら「ピスタチオ?」と言うので「シ。エ、リモーネ。」と言ったらヘラヘラがぴたっとやんだ。こちらとしてはすっきり味のレモンとこってり味のピスタチオの組み合わせを指定することで「どや!」とやったつもりだったが、向こうはこちらがイタリア語を話したので驚いたのか、さもなくば「ペルファボーレ」を言わなかったのでイラっとしたか。
 
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 いったん止んだのにまた雨が降ってきて、お菓子と洋服を腕に、野菜の中をつっきって広場でタクシーを拾ってホテルに帰った。後はホテル近くのスーパーで普通のチーズとか調達するだけだ。
 
 ところでそのスーパーはホテルの目の前の通りを左に直進したところにあり、最初に乗ったバス停はホテルの裏手方向にあった。この日のレストランはほぼまっすぐ直進したところで、最終日に発見した大きなスーパーは右側にまっすぐで、どれもこれもほぼ90度の角度で存在していた。こういうのって何かの呪い??
 
 最終日は海鮮料理のトラットリアだった。途中パン屋があり、地味なお菓子やお決まりのカンノーリも売っていた。ココナツのお菓子ともう1種類を指定したらその2種類で100gで出してきた。どちらも100gでよかったが、せっかくなのでそのまま去って道路わきで試食に及び、ココナツのお菓子が思いの外しっとりとして絶好調に美味しいのが判明、これとパンを買って帰ろう!ということになる。
 
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 ココナツのお菓子は普通にあちこちにあり、夫の好物なので端からカゴに入れて来た。しかしなぜイタリアでココナツがこんなに普及しているのか。ホテル近くのスーパーではデーツの1パックが1ユーロしなかった。デーツとはナツメヤシの実で、エジプトとか中東ではこれしかないのかというほど売られていて、結局きれいな箱入りのを千円で買ったりした。
 
 一方、日本にツアーで来る外国人たちもお土産を買ったり名物を食べたりしているはずだが、どんなところで何を買わされているのだろう??大人気だというラーメンや寿司をツアーでは提供されているのだろうか。
 
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 近くに大きな教会があり、修道女が歩いていた。入ってみると立派な聖歌が聞こえてきた。聖歌隊ではなくて一人の歌だったがまあなんときれいな声。ここはひとつ、改宗するべきではないのかってくらい。教会もきれいだったが何よりいいもの聞かせてもらった。教会の前は広場になっていて、DON BOSCO と書かれた巨大な像があった。サレジオ会の教会だった。
 
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 今度こそ食事に行く。誰やらのブログによれば、タコ丸ごと出てくるような店のはずだった。店の冷蔵ケースには様々な魚や生カキが置かれていて、イタリアでこんなの初めて見た。
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ただ、量に関して言えば店は反省したようで、海のマリネ、イカとエビ焼き、など注文したがいまいち少なくて、もちろんカキ5つがおなかに溜まるわけもなく、そう言えばと今まで食べなかったミラノ風カツレツを注文してみたが普通のの半分ほどの大きさだった。
 
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 たまにゃーこんなこともあるのねえと言いながらホテルに帰る道すがら、2つ先の通りを路面電車が走り過ぎるのが見えた。あれがここまで通じているのがわかっていさえすればタクシーにも乗らず、簡単に王宮前広場に行けたはずで!!「すいません、調査不足でした。」と夫は言った。