イタリア北部旅行 1 (と旅支度について)

先日、2週間ほどイタリアを旅した。
例によって、妻による旅の記録。
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 6月11日、アリタリア航空で成田から12時間22分、到着したのはミラノ、マルペンサ空港。今回はミラノは1泊のみ、それも街中ではなく空港近くのホテル。電話をかけるとホテルからお迎えに来てもらえることになっていた。夫、定番のセリフ 「あれ?電話通じてないぞ?」と。そういう言葉が出てるときは逆に大丈夫という意味。
 
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 ホテルは壁面にフレスコ画なんか施され、ちょっと素敵な城館の趣。わあ、ディズニーランドみた~い!と口に出し、運転手にウケる。庭にはお決まりのコニファー、バラ、そしてアジサイ。バラの中のひとつは低く仕立てられているし花ガラもとってないし、かなり貧乏くさい有様だけどもしかしてジャクリーヌ・デュプレかもしれなかった。
  
 8時にホテルのレストランに入る。夜8時といえど夏なので明るい。
疲れもあって最初からトバすつもりはなく、軽く ラビオリとアスパラガスのムース、あとは水、ビール、要らないと言ったのに泡もの1杯を押し付けられる。飲むけどさ。
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 南の夕食は遅い。8時ではガラガラで、それから少しづつ人が入ってきた。
ディナー用に持ってきたドレスを着用に及んでいた。何のことはないコットンのワンピースだが、柄ものなので何かあっても汚れが目立たず、畳んでも致命的なシワにもならない便利もの。というか、そうでなければ持ってこれない!好評なのか、どこかのおばさまににっこりされて、にっこりを返す。

 実のところ、2週間の間これ1枚でディナーをしのぐつもりだった。毎回2時間、しかも冷房の効いた中で着るのだから大丈夫!という理屈である。とにかく、とにかく重たくてかさばる荷物はイヤ!でもあんまり貧相でもイヤ!
 
 以下は荷物の話になる。
  
 少し前に知人が英国旅行に旅立ち、同じようなお仕度をしていた。荷物を減らすための努力は涙ぐましく、例えば100均で靴のクリーナーシートを買うものの30枚入りとなればそこまでの数を持って行く意味はないので家中の靴をきれいにしまくり、数を減らそうとしたりした。
 
 恥ずかしいが、100均の紙パンツも利用した。エジプト旅行で知り合った人が紙パンツを利用していると聞いた時にはパンツごとき洗えばいいじゃんと思ったがさっさと見習うことに。普通の旅行なら荷物が少なくて済むが、洗濯前提の旅行の場合、パンツ1枚なりとも乾いたがどうか気にしなくていいのはやはり便利なのである。
  
 軽くてかさばらず(布の分量の多いものなどもってのほか!)洗濯してもよく乾くものを探した。厚地では乾かないし、湿度低いんだからと木綿よりは化繊。
 
 日焼け止めもさりながら、ストールは外せない。これは結果的には汗を吸うので洗っては巻いた。途中から、手ぬぐい感出てきた。オシャレな手ぬぐいなら、いや、かき氷の手ぬぐいでも大丈夫かもしれない。日本人が見たら驚くが、イタリア人にはなーんもわからん。抵抗する自分を無視し、かっこよく巻けるなら何の問題もないと保証する。だからって手ぬぐいを持って行く意味はなさそうだが。ちょっとだけ布の分量が減るかな?
  
 飛行機の中での足のむくみ防止に、今回は圧迫靴下を用意。効果絶大、12時間ほぼ座りっぱなしでも靴はきつくならなかった。その靴はといえば3足を用意、普通のスリッポンと、ちょっとオシャレするときのためのサンダルと、スリッパ代わりのビーチサンダルである。ビーチサンダルはいつからそうなったのか、どこの国でも夏の定番となっている。
  
 100均はお土産調達に便利とは外国人のセリフだったが、何かとのきのお礼の調達にも便利。ダイソーで扇子を購入。ただし外国では扇子を使うのは女子だけのようで、何かお礼をしたくなるようなお世話をしてくれるのも女子、それでいて男持ちの扇子の方が格好いいのが残念。
 
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 それにしても洋服を決めるの面倒くさい。パリだのミラノだの行くのにダサい格好をしたくないというのは若い女子だけではない。オバサンの私だってそうなんである。だけどそれ以上に、重たい荷物はイヤ!!まあダサいかどうかはもはや程度問題、奴らも結構普通の格好をしているし。流行のつもりでも日本だけの流行で、よそではバカみたいに見えることもある。
 
 いっそ突き抜けてしまうという手もあった。夫はホテルでの朝食は無印良品の甚平と草履で通した。それがどういう結果を生むかといえば若い女子にはビューティフルと言われ、年配夫婦には明るくコンニチワと挨拶され、年寄男性二人組にはびびられたのである。忍者とか空手とかその手の人を想像したのか? まあ侮られるよりはよろしい。
 
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 それでも夏のイタリアだったらまだいいはずだった。冬のエジプトはエジプトのくせに寒かった。我々は薄着のファラオやクレオパトラしか知らないが、冬は何を着ていたのやら。そして目の前にあるはずのピラミッドが見えないほどの砂嵐の季節もあるらしい。砂嵐をよけるための服装とはいかなるものなのか。それを知るのは桜島近辺の鹿児島県民くらいではないのか。
  
  そんなこんなで私の2週間ぶんの荷物は世間でいうところの3泊4日用のスーツケースに入れることが出来た。洗濯しまくったゆえ、持って行きすぎた感じで終わったが、着なかった服は1枚もない。洗濯したくない日もあったし、でも洗濯しないと我慢できなかったし。つまるところ、過不足のない旅行用荷物なんてこの世には存在しないのだ。