明日は天文スペクトル研究会へ

明日は、三鷹国立天文台で開催される「天文スペクトル研究会」へ。通常の研究会の案内は1週間前にあるので、届かないなー、と思っていたら、昨日届いた。
今年は19回目となる会も、この研究会は、関西のチームが主催していたので、西日本で開かれることが多かった。昨年は京都での開催だったのだが、行くことができなかった。今回は関東の開催なので、気軽に出席できてうれしい。

大学の研究者がメインの会であるが、届いたプログラムを見ると、「CDを利用した簡易分光器について」など、分光器の自作に関する報告が3件もある。楽しみ。

透過型のグレーティングを用いてのスペクトル観測の実験はこれまでにもくり返してきたが、あまり良い結果は得られなかった。分光の画像は得られるのだが、輝線、暗線のスペクトルがうまく検出できないのだ。最初は、分光器の性能が悪いのだと思っていたが、どうもそうではないようだ。
分光スペクトルの撮影は、惑星の模様を撮影するのとおなじだと思う。細かい模様の撮影なので、撮像のズレが無いことが重要なのだ。惑星の観測では、露出時間は短くて住むので、比較的高解像度の像が得られやすい。それをスタックすることで、見かけの解像度を上げることもできる。スペクトルの撮像では、露出時間が長いので、ガイドズレがあると、それらが重なってしまい、ぼんやりした画像になってしまう。これでは、科学的なデータは得られない。

使っている望遠鏡、観測室を含めた環境は、そんなに硬いもの・精度の良いものではないので、変光星観測の要件は満たしても、スペクトル観測の要件は満たせなかったのだと思う。早い話が、1分間ノータッチで星が丸く写らなければ、スペクトル観測は出来ないのではないかと。がっちりした、観測所では、なにをいまさらと言うことなのだが、都会の木造観測所では、なかなかむつかしいこともある。

StarlightXpress + PHDguidhingで、長時間にわたって安定した像が得られるようになり、精度が上がった。スペクトル観測も、Auto Guideにより、安定した画像がえられそうなので、再度トライしてみる良い機会なのだろう。
良いヒントが得られればと思う。