天体スペクトル研究会

先週土日、「天体スペクトル研究会」に参加してきた。場所は国立天文台見たかキャンパスすばる棟。研究会の参加も天文台に来るのも初めてである。天文台は中央線だと武蔵境駅となる。東京に転勤してきて、結婚するまで、隣の東小金井に住んでいた。25年ぶりくらいにこのあたりの駅に降りる。高架になって、きれいになって、すっかり様変わりしている。

研究会は、一般講演が17件、招待講演が2件、ポスター3件の発表があった。これまでの研究会のサマリをWEBで見ることが出来るし、第16~18回までの収録を受付でもらうことができた。これによると、今回は、分光器製作関連・自作分光器による観測の報告があわせて、7件もあった。

その中で、印象に残ったもの2件。

・「自作分光器による太陽観測」
太陽観測用の分光器を製作し観測の報告。とても良くできているようで、地球の自転を利用したスリットスキャン撮像により、Hα・Ca・Heなどの太陽の全体像へリオグラムは圧巻でした。
・「高校部活動で行っている自作分光器による天体観測」
これも自作の分光器であり、これを用いての地球照や回帰月食の分光観測の報告。月の観測から地球の状態をも推測できるというがとても興味深かった。

スペクトル観測は、光を拡散してしまうので、それぞれの光は弱くなる。星のスペクトルは観測が難しくなる。この点、太陽や月は光も強く、対象も大きいので観測がやりやすいのだろう。スペクトル観測はここから入るのがよいのかなー。

一連の講演を聴いて、あらためて感じたのは、スペクトル観測と言うのは、情報量が多いとのこと。光電測光からCCD観測に移行して、面に展開したことにより、情報量が拡大したと思ったのだが、スペクトル観測は、観測対象の特性をすべて表現するようなものに感じた。そう言えば、電波におけるスペクトラムアナライザもめくらが目明きになるような感じがしたものだった。

研究会初日、終了は18時過ぎ、すばる棟の外に出たら真っ暗。あたりまえと言えばあたりまえなのだが、天文台なので通路にも街灯がない。街中はかなり明るいのだが。

いろいろとヒントをもらった研究会でした。