LX200-25のバランス調整

天気の悪い日が続いており、なかなか観測ができない。そんな中でも本格的な観測シーズンに備えて、機器の整備は行っている。今回は、以前から気になっていた、主力機である LX200-25 のバランス調整を行った。

現在、LX200-25は、ガイド鏡として、KENKO SE-120屈折を同架している。バランスウェイトを写真のように取り付けている。
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望遠鏡を南中方向・天頂に向け、クランプをはずすと、鏡筒は北に回転し、北側がやや重いことが確認できる。きちんとバランスがとれていないのだが、手持ちのウェイトに適当なものがなく、この状態で、どのような状況なのかを測定してみた。

LX200には、TELESCOPE メニューに、BALANCEというのがあり、鏡筒を高速に動かして、パネルのLED電流計で確認することができる。割と荒い目盛りの電流計なので、もう少しこまかく測定できるように、治具を製作した。
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写真はカレントトランスアダプタで、20回巻いてあり、クランプ電流計で流れる電流を20倍に増幅して測定することができる。
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これをLX200のACアダプタの中間に挿入してクランプメーターによって、望遠鏡の動きによって電流がどのように変化するかを確認する。写真は、南中・赤道の位置で恒星時運転時の値で、メーター指示値はフルスケール15の目盛りのところで4.5 くらいである。

バランスウェイトの位置を変えて、子午線方向で15度きざみの位置で望遠鏡を南北に動かしたときのグラフは次のとおり。
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凡例は、
 ・D200 N-S バランスウェイト 赤緯軸から200mmの位置 北→南
 ・D200 N-S バランスウェイト 赤緯軸から200mmの位置 南→北
 ・D320 N-S バランスウェイト 赤緯軸から320mmの位置 北→南
 ・D320 N-S バランスウェイト 赤緯軸から320mmの位置 南→北
動かす方向により、電流の大きさが違うことは、バランスがとれていないことを示しており、南→北 よりも 北→南 の電流が大きいのは、北側が重いということである。
同じバランスウェイトであるが、赤緯軸に近いほうにあるほうが、電流が小さく、方向差も小さい。重心が赤緯軸に近くなるためである。

一方、赤径軸を恒星時運転したときの電流と望遠鏡の位置との関連グラフ、赤径1H(15度)ごとのデータは、下図のとおりである。
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これも、D200のほうが、方向差が少なくなり、バランスが良くなることを示している。

先にも書いたように、アンバランスのままでの測定であたりまえの結果が数値化された。バランスをとるには、ウェイトを大きくするか、アームを長くすれば良いが、あまり、ウエイトを重くしたくないし、アームを長くすると、南に向けたときにフォークにかかってしまう。ある程度、数値化できるようになったのでもうすこし、やりようがあると思う。