60cm望遠鏡 修理支援 復旧

60cmニュートン望遠鏡の修理であるが、故障していると思われる、赤緯駆動パルス発生ICのPCL-240AKの同等品が入手でき、このICの交換で直らないときの赤緯駆動パルス発生器も製作したので、再々度修理を行った。

このICはすでに生産終了しており、国内の流通在庫なしだったが、Aliexpressで同等品をみつけることができた。発注して、2週間ほどで到着した。
前回の時には、ロジックチェッカーを持っていかなかったので、きちんとは確定できなかったので、再度望遠鏡の動作状況を確認する。
北方向ボタンを押したときには駆動パルスと方向パルスが発生するが、南方向のボタンを押すと方向は反転となるが、駆動パルスは出力されない。やはりICは故障している。

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このICを中華モールAliexpressから購入した相当品に交換すると、南方向のボタンを押したときにも正常に駆動パルスを発生することが確認できた。全く同じ型番のものではなく、やや旧版のものであるが、新版で新設されたコマンドは使っていないようだ。
このICとモータードライバとはフォトカプラで電気的に絶縁されて接続されており、ドライバの障害によって故障したものではない。ICのコントロールレジスタにデータを書き込むことによってコンロトールしており、ICが劣化してコントロールが出来なくなったものと思われる。きわめて珍しい故障だ。

ICを交換して、操作すると北方向には回転するが南方向にはうまく回転しない。観察するとモーターが欠相したように回転する。北方向にも時おりこのような回転が見られた。

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故障したモータードライバ(写真)は駆動電流が1.4Aのものであった。同じものがないので、形状が同じで駆動電流が 0.7Aのものを使っていた。電流は半分なのでモーターのパワーは、1/4となる。赤緯軸なのでそれほどパワーがいらないのかと思っていたが、さすがに重量級の望遠鏡なので、それなりにバランスが取れてるとはいえパワーが足りないようだ。そこで、形状は違うが、2.8Aまで駆動できるドライバに交換して、駆動電流を大きくしたら、南北ともそれなりに動くようになった。

それでも動きはぎこちないところもある。長いこと動かさなかったので固着したところもあるのだろうか。オーナーによると、きちんと動いていた頃の動作音になってきているとのことなので駆動電流をやや大きくしておくことにした。

やっと、ほぼ元の状態に戻ったようだ。

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パルス発生ICを交換してもNGのときに、写真のような、PICとトランジスタドライバを使った代替の赤緯駆動パルス発生器も用意したのだが、切り分けテストなどに使用しただけで済んだ。

手元操作BOXで自由に望遠鏡が動かせるようになったので、実際の星空に望遠鏡を向けてみる。実際に動かしてみると、60cm F6 ニュートンの望遠鏡は巨大で接眼部は斜め下方向に引き出してあるとはいえ、高さ3mくらいのところにある。鏡筒が回転できるようになっているのだがフォークマウントでは必ずしも覗き易い位置にはこない。それでも、月齢5の月が非常にクリアな像をみせていた。

なんとか望遠鏡を復旧させることができた。

モータードライバの形状が大きいため、もとのコントローラのケースに収めることが出来ないし、もとの配線が届かないため、延長して配線しており、信頼性が低いままとなっている。これをきちんとしなければならない。ヤフオクでオリジナルのものをさがすか、同等品で実装をしっかりする必要がある。

また、今風の観測に適合するためには、オートガイドは欠かせないものなので、その信号線の引き出しも準備する必要があると思う。主鏡のオートフォーカサーもほしいところだ。もう少し整備のお手伝いをしようかと思っている。