分光器 BASSProjectを使ってみる

実験中の分光器でいくつかの光源を撮影したスペクトルを解析ソフト BASSProjectを使って、解析してみた。

撮影した光源は、ネオンランプと殺菌灯(低圧水銀灯 )。左側が秋葉原で購入したネオンランプ、AC100Vで点灯できる。右側が殺菌灯で30年ほど前に、EPROMのデータを消去するために紫外線ランプとして購入して組み立てたもの。
イメージ 1

これらの光源のスペクトルを分光器で撮影して、画像を切り取って合成したのがのがこの画像。元の明かりを見てもわかるように、ネオン管はオレンジから赤、殺菌灯は青から緑の輝線スペクトルが見える。
イメージ 2


解析ソフトは前述のとおり、BASSProject である。このソフトは、Yahoo Groupsで配布されており、無料で使うことができる。マニュアルは英語版がダウンロードできるが、菅原さんの「BASSProject による分光観測データ整約の手引き」を参考にした。

BASSProject の使い方の詳細は、前記の参考資料によるが、起動して、画像を読み込み、先人の解析画像、理科年表などから輝線の波長を同定し、X軸をPixelから波長に変更した解析中の画面がこれ。
イメージ 3

チャートのみを取り出し、いくつかの輝線の波長をいれてみた。青のグラフがネオンランプ、マゼンタのグラフが殺菌灯のスペクトルとなっている。このグラフからすると、カメラのC-MOS撮像素子のX軸 1280 ピクセル は、420nm ~ 720nm となる。

イメージ 4
ネオンランプのスペクトルは、理科年表から同定したところ、特に違うものは無いようだが、殺菌灯のほうは、700nm あたりの水銀スペクトル輝線には該当するものがない。殺菌灯は昔の松下電器製で現在のPanasonicの説明書を見ると、アルゴンガスと水銀を封入してあると記されているので、理科年表から、アルゴンガスの輝線と同定した。

分光器の基準光源として、ネオンランプが良く使われるが、波長の短いほうに輝線が無く、分光器によっては、使いにくいところもある。このデータからすると、殺菌灯のほうが、アルゴンの輝線により、波長の長いところまで使用できそうである。ただ、殺菌灯は写真のとおり、安価に入手できるものは小さな蛍光灯ランプであり、分光器に実装するのは難しい。