K6BEZ アンテナアナライザー 測定周波数範囲拡張

以前にMLA48のメンバーに頒布した「簡易アンテナアナライザー」は、K6BEZオリジナルが、30Mhz程度までの測定範囲となっているのを、AD9850 DDSユニットの改修により50Mhzまで測定可能となっている。
今回、Si5351Aクロックジェネレーターモジュールを使って、測定周波数をさらに、160Mhzまで拡張することができないか実験をしてみた。

Si5351Aはデータシートによると、2.5Khz~200Mhzの周波数を出力することができ、出力も3CHあり、独立して制御できるとのこと。
これをK6BEZアンテナアナライザーに使うにあたっての問題点(変更点)は、
 ・AD9850 DDSの出力する正弦波と違って方形波であること
 ・RFの出力レベル
 ・周波数の設定その他のコントロールがI2Cであること

AD9850、Si5351A それぞれのモジュールは写真のとおり。
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写真の上は、AD9850中華DDS、OSCチップ 125Mhz → 48Mhzに変更して、隠しコマンド4逓倍モードを使って、原振196Mhzとして、50Mhzまでの出力を得ている。
下右は秋月のSi5351Aモジュール、原振25Mhzのもの。左は、QRP LAB のSi5351Aモジュール、原振27Mhzのものである。秋月のものは、ICを最小限にマウントしたもの、QRP LAB のモジュールは、AD9850との差し替えを意識して製作されており、I2Cのレベルコンバーターも内蔵しているので、今回はこれを採用。

MLA48版の「簡易アンテナアナライザー」では、I2Cを使用していないので互換性を考えて、写真のように接続した。ハード的には、これでいつでももとに戻せる。
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アンテナアナライザはArduinoがベースなので、Githubのライブラリを選択、ファームウェアを書き換えた。特に記することもなく注意することは、周波数の設定のパラメータが uint64_t タイプであるのでこれに合わせること。

K6BEZのPC側のソフトは変更無く、周波数指定コラムで対応することにした。
144MhzのGPアンテナをざっと測定してみたのが、次の画像。それらしいデータが表示されている。少なくとも共振周波数は分かるので、アンテナの調整には使えそう。イメージ 3

以前にも書いたように、この K6BEZ タイプのアンテナアナライザーはVSWRが低いところで系統誤差が発生する。正確にデータを表示するには、VSWRの補正関数を決定しなければならないが、とりあえずは、Si5351Aモジュールを使って測定周波数の拡張ができそうだ。