TCD1304 リニアイメージセンサで分光器 5 ケースに組み込み

製作中の TCD1304 リニアイメージセンサによる分光器、実用に供するようにアルミケースに組み込んだ。光路設計を行って配置を決定して手持ちの 250mm × 160mm のアルミケースを加工、写真のようになった。

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左下がスリットとコリメーターレンズのアセンブリグレーティングを挟んで、カメラアセンブリになる。カメラコントロールの Nucleo F401 ボードも内蔵して、USB-miniの延長ケーブルで引き出し。けっこう綿密にやったつもりだが、ギリギリになってしまった。

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グレーティング

www.edmundoptics.jpを仮止めで使用。

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CCDカメラアセンブリには、f= 50mm F2.0 のM42 マウントレンズを使った。なるべく、CCD の受光面に垂直に光があたるようにすることにより、感度も高く歪みも少なくなる。

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スリットへの導光は Audio用 光ファイバーケーブルを使うことにした。ロスは大きいが短い距離であり、高感度の CCD でカバーでき、手軽で安価なのが良い。SMA タイプの光ケーブルを使えば、スリットが省略できるかもしれないが、次のテーマ。

 

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このように、殺菌灯(水銀ランプ)のスペクトルを取り込むと、おなじみのスペクトルが表示される。

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表示の一番波長の短いピーク(左側)は 400nm 。もう少し短いほうに 250nm のピークがあるはずなのだが表示されていない。なにかの不具合かといろいろと調査したが、結局のところ CCD の分光感度特性によるものだろうと思う。

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このように、データシートでは 400nm までしか表示されていないが 400nm 以下では急激に感度が落ちるようだ。

それなりに動作しているようなので、他の光源も測定してみる。ネオンランプは、

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蛍光灯はこんな感じ。

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水銀スペクトルの一番波長の短いところ(左端)が 400nm 、ネオンの波長の長いところ(右端)が 700nm 。CCD の感度が追いつかないところもあるが、おおむね、200nm~1000nmくらいが観測可能範囲だろうか。

これでほぼ完成だが、課題と言うか、改善したいところとしては、

 ・PCへの取り込みデータを解析しやすいように FITS 形式にすること

 ・ケース内部やパーツを黒塗装してコントラストを上げること

 ・CCDアセンブリをもう少しグレーティングから離して、画面いっぱいになるように

 ・GUI ソフトをもう少し使いやすくする

などなど。