ベトナム 3泊4日 2

 ベトナム旅行 2日目
 
 ベトナムの朝。ホテルの部屋の窓からは民家が見える。いずれも5階建てくらいで一番上には給水タンク、屋根のある洗濯モノ干し場。屋根があるゆえに雨が降っても大丈夫で、ちょっとした囲いを設けているゆえに風が吹いても大丈夫。あの物干し場は私も欲しいが、それにしても、ホコリだらけすぎるのではないか。
 
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ホテルの朝食。ここは殆どが日本人客なのだそうだが、韓国人も中国人もいた。
フォーもある。コックがいて、目の前で作ってくれるのだがぬるい。冷たい麺に熱いスープをかけてくれても、麺を温めなければぬるくなるわけで。そしてパクチーがなかった。あれを嫌う日本人は多いが、何もなくしてしまうことはないだろう!?ゲゲッ、と驚く体験も大事ではないのか。
 
 普通にフォーをすする夫を、止める。ベトナムではすすらないことになっているとガイドブックで読んだので。改めて周囲を観察したら、フォーを思いっきりすすったのは日本人のお嬢さんと中国人のおっさんだった。食事が終わって部屋に向かうべくエレベーターから降りたら、通路にはお掃除のお姐さんたちが床に座っておしゃべりしていた。
 
 本日はまずドンスアン市場に出発。ここはお土産だろうと何だろうとそろうとガイドブックは書いていて、地図上でも結構な大きさを占めていた。普段は使わないタクシーを使う。そのためにどうするのかと言えば、ホテルのロビーのコンシェルジェ兼色々の娘さんに、タクシー呼んでくださいとお願いして、紙に書いたベトナム語の「ドンスアン市場」の文字を見せたわけで。娘さんは眉間にシワを寄せたあと、ちょいちょいと添削を加えてくれた。
 
 お迎えガイドさんにも見せたベトナム語らしきものはグーグル翻訳でパソコン画面に出たものを書き写したもの。日本語を見よう見真似で書いた外国人のものにも似て、微妙なところとか、またはその一筆でとんでもないことになっているとかの恐れがあった。これから行く人がいるなら、現地の人に添削してもらうのがオススメだ。
 
 ベトナムの道はバイクの量が多いうえに逆走も珍しくなく、車は始終クラクションを鳴らすし、マジメに運転を見ていると足がつるばかり。なので、前方ではなく、街の様子に集中することにした。ちなみに信用がおけるのは車上に「Taxi Group」と書かれた行灯?を載せた車だそうで、それからは街で捕まえるときにも必ずこの名前がついたタクシーを捕まえたし、立派なホテルの前から乗るときにも必ずこのタクシーが並んでいた、ように見えた。たかだか3泊4日での話だが。
 
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 ここまでして行ったドンスアン市場は、これと言って面白くなかった。1階はお土産で、2階は洋服とかで、それならと化繊のパンツ(ヨガ教室用)を値切って買ってもみた。850円のものを600円にと聞いて当のヨガ教室の先生は「何それ、値切るような値段~??」と笑ってくれたが、値段は問題ではなく、日本人は言い値で買うと思われてはいけないので、面倒くさくても値切らねばならないのである。
 
だが、値切るのも難しい。まずは相場を知らなければならないが、そんな時間はありゃーしない。結局、適当に値切ってみた挙句に面倒くさくなって、他にお客が来たのをいいことに去ろうとしたら追いかけてきて、私の言い値でいいという。てことはそこそこボられていたわけなんだけど相手の悔しそうな顔を見ればどの程度のボられかたなのか???
試着は出来ず、まあ大体で買ったそれは帰ってはいてみたらいい感じで、洗ってもすぐ乾きそうだし、あと2枚あっても良かったなーとか思ったが、もういっぺん行くというのも、同じ店というのもなんだから別の店を探してまた値切るというのも・・・。ハア。
 
 次の目的は、地元のスーパーマーケット、インティメックス。ホアンキエム湖の近くにあり、、市場前のドンスアン通りをまっすぐ進めばたどりつける。ありがたいことにその通りにはベトナムではお得に買えると言われるドライフルーツやお菓子の店が並んでいて、夫が好きな蓮の実のお菓子や月餅もあった。これは面白いとばかりに色々買って、目立たないように歩きながら食べる。塩卵の入った月餅が、台湾の名店よりも美味しい。ういろうのようなお菓子が、甘いなりに白く半透明で清い。やっぱり食べ物がなきゃダメだ!!
 
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 そのあたりは、旧市街にあたる。外国人によって、それよりは外国を見た日本人によって、日本の街並みが汚いとはよく言われているらしい。理由は電線の存在。だが、ハノイに行ってみろ!旧市街の電線なんて、そんなもんじゃーない。日本の電線のお行儀の良さよ。そのうえ間口が狭くて古くてほこりっぽい建物が並び、道はでこぼこで段差があり、「歩く」とはどういうことかを意識させられる始末。いや、疲れただけでとても面白かったのだけど。
 
 旧市街で目に付いたのは電気自動車と、人力自転車。電気自動車は6人乗りくらいで、人力自転車の場合は自転車の前に人一人乗せて走ってくれる。夫は電気自動車に乗りたいものだなと言う。私もちょっとひかれる。クラクションに追い立てられ、道を渡るのも大変なんだもん。この年にして、小学校の大縄跳びを飛んでる感じ。年をとったら、この道は渡れない。そして街中に明らかな年寄りはいないように見えた。
 
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 スーパーに到着するなり日本語が聞こえて、現地ガイドに連れられた日本人達が買い物をするところだった。そうだよね、一つモノを買うにも一々値切らなきゃならないっての、辛すぎる。お菓子の箱が積み上げられていて、これが夫の好物、緑豆のお菓子だった!タロ芋とのミックスとかヤシのミックスとか、各種1箱づつカゴに入れる。2階を見に行けばベトナムのインスタント・ラーメンがあった(あとで、もっと買ってくればよかったと後悔。日本のとはちょっと違って美味しい!)のでカゴに入れ、1階に戻れば特産の白こしょうだのばかでかいシナモンだのと面白すぎてカゴに入れ、ライム塩コショウは品出しが遅すぎて棚がガラガラ。蓮花茶ベトナム緑茶(番茶っぽいが水分補給として飲むにはぴったり!)で、荷物は重いが、満足。
 
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 店を出て改めて眺めるホアンキエム湖周辺は白人も多く、観光地であることがわかる。ここまで来れば道も平らだし、コーヒーだのは高いだろうけどイスもテーブルもきちんとしてる。遅いお昼を食べるべく、通りからちょっと入ったところにある店に入った。外に座ってる人もいるけど、ドアもあるし木のテーブルの清潔感は日本のお店みたいで、そうなると落ち着くようなそうでもないような・・・。
 
つけめん、と訳されるブンチャーと焼きそばとベトナムコーヒーを注文。先にコーヒーが来る。ベトナムは近年コーヒー栽培に力を入れていて、その生産量はブラジルを抜いて世界一となった。ベトナムコーヒーは特別な器具を使って淹れている。小さなカップにまず練乳を入れ、その上にコーヒーを入れて供され、かき混ぜて飲む。かき混ぜずに一口ごとに変わる味を楽しむべく飲んでいき、今度は底に残った練乳を楽しむ、のは私くらいか。
 
やがてブンチャー用の、ステーキ皿に載せた肉がジュージュー言わせながら運ばれてきた。添えられた汁にハーブも麺も入れて混ぜて食べる、のはいいが、器が小さくて食べにくい。焼きそばといい、ブンチャーといい、美味しいけどいまいちエスニック感がなく、はてこんなもんだっけかと。日本に帰ったら食べなおそうと思ったという。
 
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 お店の人にタクシーを呼んでもらい、いったんホテルに戻って昼寝。
夕食には時間があるので、ロッテのビルまで行くことにする。地図によれば道すがらには湖もあり、楽しそうな道ではある。まずは昨日の夜食の店の方向に曲がり、ちょっと行ったところで左側の道にそれて・・そしたら、プルマン・ハノイが。行き過ぎた。それで方向転換して犬料理屋が多数あるという通りを横目にまっすぐ進むと右側には大きな展示場があるのでその向こう側を右折・・だがそこにあったのは巨大な空き地だった。多分これがそれなのだろうと右折、この頃には目的地のロッテ・オブザーベーション・デッキとやらが見えてくる。右側にはサンボー湖があるはず。だが、コレが見えない。ビアホールなどで囲ってあり、プライベートビーチみたいになってるようだった。反対側からなら見えたのかもしれないが。代わりに電線から電気をひいて道で床屋さんを営業しているのも見られた。
 
 到着。疲れた。普段ならなんでもないくらいの歩数だが、道が平坦ではないうえにとにかくクラクションがすさまじく、普通の3倍くらい疲れる感じ。ロッテなんたらデッキの中にはデパートもスーパーもあるから、大抵の買い物はここで済むとお迎えガイドさんは言ったが、地下はデパ地下ではなくスーパーで、韓国系だけに韓国系の商品も売っているけど、ここで買ってどうすんだ、おい。
 
そして、日本のスーパーでもやけに美味しそうな店と、いまいち商品に栄養がたりてなさそうな店とがあるが、ここはもうちょいという感じ。パン屋さんとかもっとこう、もりもりに置いてあれば帰国日の朝とかタクシー飛ばして買いに来ちゃうんだけどこれならまあべつに来なくていっか・・・。清潔感ではこちらの方が勝ると思うが、私的にはインティメックスの方が楽しい。ハノイにはイオンモールもあるらしいが、今回はそこまでは行かなかった。それにつけても疲れたので、さっさとタクシーで帰った。
 
 その晩の夕食は、夫が近くの食べ放題に行くと言う。ホテル前の大通りの直前左側にあって、一人が49万ドンだったか。結構なお値段だがお店にドアはあるしこんなものかもしれない。だが。今日は1階は予約で一杯なので2階に行ってくれと言う。2階に行くと、きれいではあるがそこはかとない廃墟感?!客は私たちだけ。そしてそこは中華の店だった。しきりに鍋を勧められるが、特別なものならともかく、こんなところまできて鍋はイヤ。食べ放題メニューの中から適当に注文するも、違うものが運ばれてきたりしてわけがわからぬ。だからと言ってボラれたわけでもなく、普通にお金を支払い、2階から降りてきたら1階は鍋を食べる人々で大賑わいだった。結局ここの主力商品は鍋なわけだった。
 
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 ビールでも買って帰ろうと思うが、お店がない。今度は大通りを左に曲がってみたら、レストラン、というか食堂がいくつかあった。なんだ、こっちでよかったじゃん。ドアがある店に入り、ビールを分けてくれないか頼んでみた。お姉さんはすぐさま「ノー!」と言ったがすぐさま思い返し、「オーケー!」と。これがどういう意味かと言えば、ビールお持ち帰りなんて聞いたことなかったけど、考えてみれば自分たちが損するわけではない、というわけで。
グラスも氷も出さずにビールを店内で飲む金額でお客に渡せばいいのは、中々良い商売。これが日本ならすごい金額になるが、周囲に商店は見えず、ましてコンビニなんてありゃーしないので、こちらも助かった。ビール1本150円ほど。
 
 お風呂入って、部屋で飲むビールは美味しかった。すこーんと眠りに落ちた。