nanoVNA の TDR モードでケーブル測定

文鎮化した S.A.A-2N( nanoVNA V2 )新たにAliexpress のお店に発注した。GHz 帯のアンテナ作り、調整はしばし延期。その間に nanoVNA の TDR モードでケーブル測定をいろいろやってみた。

 

TDR モードとは簡単に言うとVNAでケーブル長が測れるモードのこと。時間軸での測定ということだが、結果としてケーブル長も測定できるとのことのようだ。以前に自作した EU1KY アンテナアナライザーにも実装されている。Time Domein Reflectometory という名前のいかつさからかあまり知られていないようで、先日発売された RFワールド は nanoVNA の特集だったが取り上げられていない。

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というわけで、EU1KY アンテナアナライザーと nanoVNA を使って TDR モードでケーブルを測定してみる。

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 画像は実験に使った機材、自作した EU1KY アンテナアナライザー、nanoVNA。DUT のサンプルケーブルは、RG400 50Ω、RG179 75Ω テフロンケーブル、波長短縮率は 0.7、両方とも長さ 2m。他に50Ω と 75Ω のターミネイター。

 

EU1KY アンテナアナライザーでは、メインメニューから「TDR Mode 」を選択する。

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このような表示になり、ケーブル長さが測定できる。

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画像は、RG400 50Ω 2m ケーブルを Port1 に接続、ケーブル端を OPEN にして測定したところ。

実際の画面では画像の下側 「Exit 」に並んで、

  Chg.Vf  : ケーブル波長短縮率設定

  Save   :画像保存

  Scan   :測定

のメニューがある。

 

nanoVNA のTDRモードは、単体でも操作できるが、画面が小さく老眼にはきついので、PC のコントロールソフトを使う。

github.com

PC 側の nanoVNA-Saver を起動して nanoVNA と接続する。nanoVNA-Saver での設定はちょっと、手順が必要。メイン画面から中央あたりの「Time Domein Reflectometory 」をクリックする。

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すると「Time Domein Reflectmetory 」のWindow が表示され、測定値が表示される。

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画像は、上記のEU1KY アナライザと同様に RG400 50Ω 2m ケーブルを Port1 に接続、ケーブル端を OPEN にして測定したところ。ほぼ同じ値を示している。

測定レンジを変更するには、メイン画面から周波数 Sweep 範囲を変更する。1~100MHz の設定で約50m となる。Sweep 周波数を 1~200Mhz に変更すると、

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MAX 25m になり分解能を上げることができる。nanoVNA では高調波を使わないベースバンドの周波数である 300MHz 以下に設定するのが良いかと思う。

 

というわけでいろいろ測定、EU1KY アンテナアナライザーとnanoVNA はほぼ同じ値を示すので、以下 ポピュラーな nanoVNA で測定した結果を示す。

 

RG179 75Ω 2m ケーブルは

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この通り、実際よりも少し短く測定された。値が実測と違うのは nanoVNA と特性インピーダンスが違うせいだろうか。

 ケーブルの先端を OPEN にしてインピーダンスの不連続点を作り、それを検出することによりケーブル長を測定することができる。