以前に製作した EU1KY アンテナアナライザであるが、MAL アンテナ製作に大活躍している。原作者のEU1KY さんのHPではソフトのバージョンアップは終了しているようだが、公開されているソースコードを元にいくつかのところで開発が進められている。
そのひとつ、DH1AKF による Upgrade 版。主な改良点は、
・スミスチャート表示を見やすく改善
・測定範囲を100 kHzから600 MHzまで拡張(オリジナルは200Mhzまで)
・簡単なスペクトラムアナライザとして使用可能
・水晶パラメータの測定
・RTCモジュール DS3231により日時表示
・ケーブル長測定モードの改良
などなど。私としては、3次高調波を使用して、測定範囲を600 MHzまで拡張してくれたことがうれしかった。これによりアンテナアナライザ本体ハードに手を加えることなく 435Mhzのアンテナが測定できるようになった。
また、オリジナル版でもPCとの接続し AA-200 として RigExpert の Antscope で操作することができたが、PCとうまく接続できなかったりしていまいち安定性に欠けた。DH1AKF による Upgrade 版 では、AA-600 として安定して接続できるようになった。Antscope はRigExpert のHPから最新版をダウンロードした。
DH1AKF による Upgrade 版 をさらに改良して、測定項目を増やし、測定器とは別の機能を追加したのが、KD8CEC 版である。上記の DH1AKF による Upgrade 版に加えて、
・L/Cメータ
・S21 Gain 測定( VNAとしてFilter の測定ができる)
・WSPR/JT65/FT8 送信機能
などが可能になった。
というわけで、KD8CEC 版 に対応できるように以前に製作した EU1KY アンテナアナライザーを改修した。追加の改修項目は、
・S21 Gain 測定のために、Si5351 から OUT1信号をコネクタに引き出し
・RTCモジュール DS3231の取り付け
・画面スナップショット取り込み画像のMicroUSB端子の引き出し
となっている。改修後の写真である。
S21 Gain 測定のための Si5351 から OUT1信号をコネクタに引き出し、オリジナル版では Si5351 のPINから引出さなくてはならないので大変だが、こちらは QRP LAB のモジュールを使っているため、容易に引出すことができた。RTCモジュール DS3231は固定できる場所がないので、電源・I2Cの配線を行って、熱収縮チューブにくるんでインシュロックでくくった。MicroUSB の引き出しは、ケーブルを切って Aitendo のUSB with 基板を使ってこのように製作。
コネクタパネルはこんなふうになった。
画面スナップショット取り込み画像のMicroUSB端子の引き出しは、後ろ側にしたかったのだが、Li バッテリ充電基板などで余裕がないため、前面から。
KD8CEC 版 のメインメニューはこんなふうになって洗練されてきた。
いまのところ Ver 0.4となっており、さらに進化中。測定使用リポートは後日。