10年以上前に自宅を建て替えた折、2階にスライディングルーフの観測室を作った。うちの近くは空が明るく、冬場空気が澄んで星が良く見える時期でも3等星くらいのところであるが、車を持たないし、観測テーマも環境に合わせてやればよいと考えてのこと。予算が少なかったので、ルーフをモーターで開閉する装置はつけずに手動でやっていた。その後、やはり不便を感じたのでモーターで開閉する装置を自作した。それがこれ、長いズンギリを回すと、屋根と連結しているボルトが移動する仕組みとなっている。
反対側から見るとこんな感じで、東西の屋根が独立して動くので、必要最小限のところだけを開けて観測することができる。内側には断熱材を装着してあるのだが、夜中に風で飛ばされたりしたものもある。
駆動するもたーは当初、ギア付きのステッピングモーターを使い、屋根の位置がわかるようにしようかと考え、やってみたのだが手持ちのものでは、速度を開けることができず、やむなく AC インダクションモーターでコントロールすることにしたもの。
コントローラーはこんな感じで、STM32 ボードを使用して 手動/自動 の切替、OPEN / CLOSE のリミット検出せいぎょうなどを行っている。右側の装置は IP9212 という WEB から I/O をコントロールできるもの。10年くらい使っているが、電源が NG となった以外はハングアップすることもなく動いている。
というわけで、こんな装置で10年くらい使ってきた。当時は他に思いつかなくてこのスタイルにしたのでが、ズンギリボルト方式にはいささか無理がある。モーターが回るとズンギリボルトをぶん回す感じになり、スピードもあげられない。普通(?)にラックピニオンギア方式で動かすことにした。
スライディングルーフを動かすようなラックピニオンギアが普通に入手できるのかと思ったが捜してみると標準品で手に入る。検討の結果、下図の長さ 1.5m M2 のラックギアをルーフの天井に取り付けることにした。
アマチュア無線のメンバーに応援を頼んで、ルーフにラックギアを取り付け工事する。屋根鋼材にドリルでガイド穴を開け、6mmのタップを切って重さ 5Kg のラックギアを正確に取り付けるのは結構難渋したが、きれいにできた。
合わせるモーター、ピニオンギアは用意してあるのだが、位置決めをしたり、十分なトルクがあるか検証したり、取り付け金具を発注したりなど年明けからかかる予定。
コントローラーも作り直ししなければならないし、やることは沢山ある。
スライディングルーフの改修は以前から企画しており、パーツも買って置いて、この冬の観測シーズンが始まる前に完成しておきたかったのだが、体調不良もあり、なかなか手が付けられなかった。友人の協力も得て、今後10年楽しめるような設備に向けてスタートさせることができて良かったと思う。
今年もこれで終わりです。つたないブログを読んでくださり、皆さまありがとうございます。良いお年を !