スライディングルーフコントローラが完成

関東地方に大雪が降ったりして、ルーフが開けられなくてテストが遅れたり、不具合を修正したりして、スライディングルーフのコントローラ Ver.1がようやっと完成した。
昨晩、26時30分までの自動観測をセットして就寝。今朝起きてみたらきちんとルーフは閉まっており、望遠鏡LX200の電源もOFFとなっていた。当然、撮像もきちんと行われていた。

構想から1年、実際に着手してから3ヵ月というところか。出来上がってみると、いささか不満もあるが、リモートでルーフをコントロールすることができ、なかなか便利だ。

オリジナルは、ニッシンのスライディングルーフSR2438で手動で開閉する。4年前、家を建て替えたときに、観測室を作り、ルーフを載せた。このときに、モーター開閉機構をお願いしておけばよかったと思う。あまり予算がなく、25万円の追加は大きかったのだろう。
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屋根開閉の機構は写真のとおり、12mmφ×1.5m寸切りネジと板付きナットによってリニアに動く仕掛けとなっている。東西のルーフが独立に動く。ルーフは鉄製なので、ドリルで正確に穴あけをするのは難しい。このため、すでに加工されているものを最大限利用することにした。
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ルーフへの駆動部に接続しているところも、もとは、写真のように、固定用のものである。

駆動するモーターは40Wほどのギア付きで180RPMほどであり、全開するのに、およそ4分くらいかかる。秋葉原でこの実験用に入手したものをそのまま使っているまた、モーターを取り付けるアングルもホームセンタで入手できるものである。モーターはリバーシブルではないので、正逆回転の切替リレーロジックを作った。OPEN/CLOSE LIMITのSWとあわせて、それぞれのLIMIT時には逆方向でないと電源が入らないように安全回路を付加してある。写真のOBXに実装してあり、これを、マイコンからのリレードライバにより制御する。

コントロールマイコンは、秋月で売っているSTM32 Discoveryの評価ボードをそのまま使っている。PICを使ってもよかったのだが、IOポートが不足したこと、こちらのほうが値段が1100円と安く開発ツールも無料でCコンパイラが使えるので採用した。32BITのマイコンでこんなに高機能のものは、必要ないのだが。プログラムはCで記述して、モジュール全部で1000行くらい。コメントも多いので、実質の制御プログラム400行くらいか。
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LANへの接続は、これも秋月で売っている、IP Power9212 を使った。入出力それぞれ8ポートが使える。STM32に接続して、LIMIT SWの状況、雨センサの状況などがわかるようにした。自室のPCから、LAN経由でルーフを閉じたり、望遠鏡の電源をON/OFFできる。
写真の右側が制御用マイコンSTM32、右側がIP POWERとなっている。
手元操作盤は、こんなかんじ。
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