4X4 アンテナスイッチャー 製作 失敗

ハムフェアも無事に終わって、積み基板や作りかけだったものの製作を進めている。以前より、HF アンテナ用に製作を進めてきた 4X4 MTX( 4入力・4切替出力 )のアンテナスイッチャーをようやっと完成させた。

背面からアンテナ4入力、側面に4個の切替出力が取り出せるようにしてある。それぞれの基板は、秋月の12Vリレー(@60円)を使っている。おそらく数100W でもOK だと思う。切替出力は N コネで引き出した。

いちばん後ろのアンテナ入力ボードは M、N、BNC のコネクタが実装可能にしてあるが、 M コネクタとした。

切替コントロールは RP2040( Raspberry Pi Pico )を使う。タクトスイッチを 4X4 マトリクスに組んで推知を押すとリレードライバを駆動し、LED を表示するようにした。

配線が複雑なので電源周りを手動で配線して、あとは Auto Router にお任せした。操作パネルはこんな感じ。

組み上げて、後方のアンテナ入力部はこんなふうに。

けっこう苦労して製作したのに特性がよろしくない。下の画像はアイソレーションの特性を測定したもので、赤 が電源 OFF ですべてのリレーが開放状態の時のもの。30MHz で 35dB ほどあり、HF 帯ならばなんとか使用出来そう。

だが、いずれかのリレーを ON にすると 青 のグラフの特性となり、アイソレーションが 10dB 以上も悪くなってしまう。使えるのは 10MHz くらいまでだろうか。

HF 帯で使うことを目指したが残念ながら完全に失敗作。

 

ハムフェア 2023

ハムフェア 2023 無事終了した。私はスタスタ歩けないのでメンバーの車で移動した前日の準備と初日のみ参加。初日に色々あって歩き過ぎて二日目はとても参加できないと判断、撤収もメンバーにお任せした。

マグネチックループアンテナ研究会 MLA48 にはたくさんの来訪者があった。今年は MLA48 10周年ということで歴史的なものも展示したいということで、2014 年に製作して現用中の「自転車リム MLA 」を出展。

もう一つ「コア給電二重ループ MLA 」をあわせて展示した。ブースに来ていただいた方々はそれなりに興味を示してくれるのだが、自作ということに対してハードルが高いと感じておられるようだ。高耐圧のバリコンなど必要なパーツが入手困難なのでしかたがない。KIT として提供したい気持ちもあるが、サポート対応を考えると躊躇する。

来訪した台湾チームに「GPS ロガー 電界強度計」を手渡した。動作させて説明のため会場の外に出て窓際で電源を入れてみる。通常だと20秒ほどで衛星を捕捉してデータを出力するのだが、いっこうに測位が始まらない。場所を変えてもダメなので、延々と歩いて南館の入り口、セブンイレブンのところ、建物の外に出なければならなかった。どうも南館は電波を通さないガラスとなっているようだった。

 

初日の展示も終わり、みんなで大井町に移動して懇親会となった。台湾チームに日本的なものをということで、居酒屋での開催、コース料理でなくいろいろなものを注文することに。一般的に台湾の人達は生もの、熱を通さないものは食べない。から揚げなどは OK だが、たこわさ は NG、炙りしめ鯖は OK であったり楽しく食してもらった。台湾メンバーのひとりが日本語堪能なので通訳したりするが、スマホの音声入力 Google 翻訳もなかなか便利でかなりいけた。便利な時代になったものだ。

宴会の終わりに水をお願いした。氷を入れた水がおいしく、ごくごく飲めた。他のメンバーも同じで、かなり気をつけて水分を補給していたつもりだが足りなかったようだ。

 

今年の HAM フェアは MLA48 のブースに出展

昨年のハムフェアは、私は体調不良によりお休みで、 お遊び系の MLA を作って 作品のみの参加となった。今年は MLA48 10周年ということで、メンバーの皆さんが初期のころに製作したものも多く展示することになった。

私も今年は体調がそれなりなので、作品を展示し、参加することにした。出展するアンテナは、2014 年に製作していくつかの改修を加えながら、未だに現役で使用している「自転車のアルミ RIM MLA 」、

昨年の台風で水没したりしたが、なんとか復旧させた。
もうひとつは、昨年製作した「コア給電二重巻き MLA 」、

製作時点ではリモート操作は、TUNNING だけだったが、コア給電部分のタップ切替をリモートで制御できるようにした。

実際にアンテナ本体のモーターを動かすのは大変なので、室内コントローラー側のソフトをデモプログラムに変更して見せることにした。

先日製作した「GPS ロガー 電界強度計」も展示しようかなー。

MLA48 のブースは「 J-28 」です。お立ちよりください。

 

完成版 GPS ロガーのついた電界強度計

実験・製作中の「GPS ロガー付き電界強度計」JLC PCB に発注していた修正版の基板が届いたので、組み上げた。基板は写真のようにすこし大きく 8cm X 8cm として、なるべくパーツがはみ出さないようした。前回の基板をきちんと修正したつもりだったがまだまだミスがあった。ESP32-TTGO でアナログポートとして使用できない PIN に電界強度測定の AD8307 の出力を割り当ててしまった。こちらはジャンパーとソフトで変更した。

機能としては、

毎秒ごとに電界強度を測定し、GPS から出力される、日時・緯度経度、高度の位置情報と共にディスプレイに表示する。ボードの Start/Stop を押すとステイタス LED を点灯し、 SD Card にそれらの情報を記録する。再度ボタンを押すと記録は終了する。

ログアンプ AD8307 は周波数によって感度が変化するので DIP SW で測定周波数帯を変更できるようにした。

電源はモバイルバッテリを使用するようにしてあるが、6~15V の外部電源を使えるようにした。通常の3端子レギュレータでは入力電圧が高くなると損失が大きくなるので PIN コンパチのスイッチングタイプを使用している。

このように書くと順調にいったように見えるが、SD Card に結構悩まされた。当初実験したアダプタから、下の画像のアダプタに変更知って使う予定で実験を進めたが、うまく SD Card を認識しなかったりしたので、上の画像のようにアダプタを変更した。

いくつかの手持ちの CD Card を使ってみたが、画像の左側1GB 以下の容量の小さい Card が安定して動作せず、右側の 8GB 以上のものが安定して使えた。

FAT16 / FAT32 の違いかと思ったが、手持ちの 1GB 以下の Card は古いものなので、アクセスするときのパワー、インターフェイス電圧などに問題があるかも知れない。

SD Card に記録される形式は

 -41.3,20230809,015233,3625.78674,N,13834.16461,E,71.8

のテキストファイルである。これを Google Earth に表示するには、専用の gpx ファイル形式に変換しなければならない。このあたりの記事

www.google.comからたどってやればできるのだろうけど、できるのはもう少し先だろうなー。台湾チームにお任せしたい。

 

続 GPS ロガーのついた電界強度計

前回のエントリで紹介した GPSロガーのついた電界強度計、正規版の基板を JLC PCB に発注していたが、昨日届いた。他にも GPS モジュール、microSD カードモジュールも、それぞれ小型のものにして揃えたので、それらを合わせて組み上げてみた。

SDカードに記録するタイミングなどを設定する DIP SW、Start / Stop SW、外部電源用のレギュレータを新たに追加した。重量は20gくらいとなった。台湾チームによればドローンに搭載できる重量は 300 g ということなので、専用にモバイルバッテリを積んでも大丈夫そうである。プロトタイプ版と比較するとこのとおり。比較的コンパクトにできた。

順調に行ったように見えるだろうが、いろいろとミスあり。

GPS モジュールの PIN 間隔が 2.54mm でなく、2mm だった。

microSD カードがご覧のようにはみ出てしまった。

・ESP32-TTGO モジュールの 3.3V PIN のひとつを GND に接続してしまった。実際に JLC PCB に発注したのは下の画像のもので、上側にダミーロードのパターンをパネライズしてある。JCL PCB は十分に安いのだから別々に頼めば良かったのだが、昔の基板の値段を知っているのでケチくさくパネライズした。ダミー側のパターンを処理するときに間違えたのだろうか。

というわけで、基板をすこし大きめにしてミスを直し、Rec 表示の LED を追加したりして、新たに  JLC PCB に発注、今回はパネライズなし。先ほどステイタスを見たら In Production になってた。

送料が一番安い便であるが、HAM フェアまではなんとか間に合いそう。

GPS ロガーのついた電界強度計

アンテナ研究会のミーティングで台湾メンバーから、GPS を利用してアンテナの特性を測りたい、との提案があった。電界強度計をドローンに載せて、三次元でデータを取りたいとのこと。日本ではドローンの規制が厳しいのでこのようなことはなかなかむつかしいと思う。

GPS モジュールなど手持ちがあるので試作してみることに。構想としては、電界強度と位置情報、時刻を取り込んで MicroSD カードに書き込んで、その後データ処理を行うというもの。装置はリアルタイムのデータ処理は行わずに、ひたすらデータ収集につとめバックエンドで Google Map などに表示すること。

最初は手持ちの基板を使って、メインのコントローラーに RP2040-Zero のモジュールを使って実験した。

電界強度の測定は AD8307 ログアンプを使う。GPS モジュールからのデータ取り込み、SD Card のアクセスはうまくいくのだが、OLED の表示ができない。Arduino でのボード情報とライブラリのミスマッチをあるようだ。また Pi Pico のA/D コンバーターは特性が悪く、12 Bit のところが実質 8 Bit くらいしかない、とのことなので深追いせずに結局使い慣れた ESP32 ボードを使うことに。

カラー LCD のついた ESP32-TTGO ボードをメインにして、モジュールは両面テープではりつけて配線、組みあげた。

画像は、室内で実験した様子。最近は GPS モジュールの性能が向上して、室内でも衛星を捕捉して、位置情報を出力してくれる。GPS からのデータ取り込み、MicroSD Card へのデータ書き込みなど基本的な動作が確認できたので、ドローンに搭載できるように小型化、軽量化を目指して基板を作ることにして、設計にとりかかる。

 

続 Pico Balloon のこと

Pico Balloon の続き。Balloon がどこを飛んでいるのかが分かるサイト、先のエントリでも紹介したが、まずは SondeHub Amature 。地球上の任意の位置の Pico Balloon の位置を示してくれる。日付変更線のあたりで、飛行軌跡のトレースが不連続になるのがご愛敬。表示データはタイムラグがあり、リアルタイムデータではない。

 

Balloon のコールサインが分かっているときには、PICO WSPR から検索できる。こちらでは、ほぼリアルタイムのデータ、現在地(ないしは最終受信データの位置)と飛行軌跡が表示される。地図の下側には WSPR データの受信者のコールサインなどが記録されている。ちなみに表示した K6EAU Balloon は MLA48 のアメリカメンバーが製作したもの。

上図の Balloon 情報の吹き出しの中に Click for Winds という LINK があり、ここをクリックすると、上空 13,000 m 付近の風の様子を示す Ventusky 天気図 が表示される。

リンクからは Balloon の位置のアップされたところが表示される。図は太平洋全域がみえるようにしたもので、図の中心が Balloon の位置となる。

この天気図の風の様子からすると、K6EAU Pico Balloon は北にある東向きのジェット気流に乗れず、南側のほうに流れ、熱帯低気圧の影響を受けてウロウロしていたものと思われる。このあと地球周回軌道に乗れるだろうか。なかなか楽しめる。