先日、6月の「変光星観測者会議」でもスペクトル観測の報告があり、再度、分光器を作って、スペクトル観測にチャレンジすることにした。
以前に、低分散スリットレス分光器を実験してみたのだけれども、追尾精度の悪いうちの望遠鏡では、あまり良い結果は得られなかった。今思うと使用したグレーティングの性能もあまり良くなかったのかもしれない。
で、今回は、スリット・コリメーターなどを使ったものに。実際のものを製作する前に、設計の勘どころというか、それぞれのパーツの様子を確認するために、簡単なオプティカルベンチを作って実験してみた。
実験の様子はこんな感じ。左側のケースには、スリット+コリメータレンズのアセンブリ、300 line/mmのグレーティングをはさんで、f=50mmのレンズをつけたToupCam CMOSカメラで画像を取り込む。実験では、光ファイバーでスリットまで観測光を導く。
光軸を調整したり、カメラのピント位置などをセットして、光源にネオンランプ、殺菌灯(低圧水銀灯)などを用意して、ざっと、観測してみた。解像度は、撮像カメラToupCam のMAXで1280×960となっている。
ネオンランプのスペクトル
殺菌灯(低圧水銀灯)のスペクトル
太陽光(外光)のスペクトル
上記3つのスペクトル主要な部分を合成したもの
ここに至るまで、いろいろと試行錯誤があったし、もうすこし改良の余地があるが、なんとかなりそうな感じ。