クロアチア旅行 9 ロクルム島

6月25日(木曜日)

 

 アパートの横には小さな公園があり、オレンジが実っていた。石段をあがっていくと廃墟の跡があり、ガサゴソ音がするので見たら、カメがいた。カメは低い柵の中にて、レタスを食んでいた。小屋があるわけでなく、そうやって飼われているのだったが、30坪くらいの広さで木陰もあって、恵まれたカメであると思えた。

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 生チーズはしょっぱかったが、卵でくるんでオムレツにして食べていた。なんだかんだと残り物は出ない。それでまた市場に行ったが、その日は祝日でたいしたものは売ってなかった。市場の次は当然「コンズム」で、この日はバラまき土産にするスープも買った。日本でもおなじみクノールの粉の乾燥スープで、日本にはコーンスープくらいしかないが、外国に行くと実に様々な種類のものが売られているし、現地語で書いてある説明書もまた読めなくて楽しい。

 それじゃ食べられないかといえば、水の分量と時間だけは数字で書いてあるので、なんとかなるのである。女が2mまで育ってしまうような異国の粉スープと思えば、それはそれで感慨深いものがあるではないか。多分。


 その日は、ロクルム島に行くことになっていた。そのために、またまた混乱のバスに乗って旧市街にいく。私はお土産屋をひやかしたかったが、夫は大通りの裏手に入ってみようという。裏手は城壁に向かってたいそうな坂道になっていた。迷惑なりに仕方なく後をついていくと絵に描いたような旧市街、石畳の道は狭くてスロープならまだしも階段が続く。このあたりに住む人々は大変だろうなあ、大体夏ともなれば四六時中観光客が家の周囲をうろうろしてて、時には覗き込んじゃうのってどうなのよ。と、アパートメントハウスの看板を出しているお家があった。つまり、旧市街で旅情を感じようとしたら、こんな階段をスーツケースひきあげなきゃならないのである。港近くのアパートメントハウスに決めた夫は天才かもしれなかった。

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 桟橋まで行ってみたら、船は30分に一度出るが行ったばかりだったのでアイスクリームでも食べよっか、ということになった。これがどこでも7か8クーナという値段なのはいいが、店によって量が違う。船着場のアイスクリームはあまりに小さく見えた。30分あるのだからと旧市街に戻ったが、あんなにごろごろしてるはずのアイスクリーム屋がそんな時に限って見つからない。仕方なくコンズムに入り、大量生産の棒アイスクリームを購入。そしたら!どうして!?10クーナもする!!不味くはない。量もそこそこだ。だが、納得しかねた。

かつては栄えたという割りには小さすぎる港から、船に乗って、ロクルム島へ。

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 桟橋に到着すると、その横はビーチではなく岩山だったが水着姿の観光客が沢山いた。岩にハシゴを取り付けてあって、そこから海にどぼんと入れるのである。もちろん、水に入らなくてもかまいやしない。そこにいる観光客全員が、日に当たるためにここに来ていたのだから。

 島には植物園がある。海岸に生える樹木やサボテンを集めているらしく、色とりどりというわけではないがぼーっと散歩するにはわるくない。そしてそこにはなぜかクジャクがいた。

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 雛を連れている。今でしょ!とばかりにバッグから、持参の、前の滞在客が置いていったらしいケーキを出す。クジャク母、大喜びで、雛なんぞはそっちのけで食いつく。食べ終わると、視線もはずさず近寄ってきて、おかわりを所望。結構大きいので怖い。分割して持っていたので、両手を広げて、もうないと示して納得してもらった。クジャク母に、バッグを確かめる知恵がなくて助かった。余談だが、私はスーパーに行った帰り道、散歩中の見知らぬボルゾイ犬に、レジ袋に鼻をつっこまれたことがある。あの美しさでけっこーバカであるらしい・・


 植物園を散策した。くすんだ色のハブランサス、でなくばゼフィランサスがあちこちに咲いている。確かこれは雨の後に開花するはずだった。昨日の今日というわけでもなかろうに、道の真ん中でさえも咲いていた。ウチワサボテンは小さな実をつけていて、これは食える。が、近くにいた南米系っぽい女性一人が手を出そうとした瞬間、もう片方の女性が止めている。

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 それならとやめておけばいいものを、何でだろうと手を出す私。とたんに、細いトゲが刺さった。その瞬間はわからないけれど、細いトゲが触れるたびに痛む。その時に取り去ることができたものは良かったが、しばらくは残ったものが痛んだ。サボテンの生き残り戦略、またはいやがらせか。


 食事に行った。赤白のワインを注文、でも何を食べたか覚えていない。小鳥がいて、観光客にエサをもらっているなーと思っていたら、でっかい幼虫を捕まえてきて、これみよがしに・・・  食事を終えて歩いていったら、今度はオスのクジャクがいた。一生懸命尾羽を広げているのもいて、つい、雛を連れていない手近なメスに向かって「しらばっくれてないで、ちゃんと見てあげなさいよ。あれって求愛行動なんでしょ?」と話しかけてしまう。ケーキはオスにも大好評だった。結局、ケーキは鳥のエサとして全て消費されたが・・・クジャクも甘さを感じるのか?高カロリーを感じて、それを快感として美味しく食べているのだろうか??

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 さて、帰る前に何か見ておいた方が良さそうなものはと地図を見たら、「死海の海」というのがあった。面白そう!!だが、そう思ってからが大変だった。我々は広くもない島を、道案内もない道をさまよった。途中、ヌーディスト・ビーチ有料)など発見しながらやっと、最初の地点のすぐ目の前にある「死海」とやらにたどりついたのである。ちなみに死海ということになっているが、一見プール状のそれは、底の部分で海とつながってるようだった。それほどしょっぱくなかったし。

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 何はともあれ、堪能して帰りの船に乗った。来るとき港で募集していたシー・カヤックを操る一団が見えた。浅瀬近くで遊ぶのかと思ったら、結構遠いところまで来ていた。ちょっとうらやましい。だって、アドリア海は、美しい。沖縄の海はエメラルド・グリーンだとは言うが、アドリア海の場合は本当の水色だった。

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 港から出たら、広場には様々な色のオウムと一緒に写真を撮らせて料金をとってる人がいた。鳥アレルギーの人以外、誰もが喜ぶ商売のようだった。通りかかった人までが笑顔になった。


 翌朝は飛行機とバスの都合で4時起きを予定していた。エアポート・バスが目の前のバス停から4時55分に出るのである。荷造りしておかねばならない。アパートメントの支払いは済ませてあるので、カギはポストに入れておいてくれと言われている。


 その夜も、トマトとモツアレラのサラダを食べたが。今思えば、なんでチーズを賽の目切りにしていたのか??せっかくモツアレラが安いところに来たのだから、もっとゴージャスに輪切りにして、トマトに互い違いにはさむべきだったのである。ズッキーニの花は、本来なら中に詰め物をして揚げたりする。久しぶりに食べたかっただけなので、そこまではせず、炒めただけ~。

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 あ、でもトロギール島のレストランのメニューでもそうやってトマトと混ぜたサラダが出ていて、日本円にして1200円だった。ここの場合高いのはトマトでもチーズでもなくオリーブ油だと思うのだが、いかがなものか。この日で自炊は終わり、次があればぜひ、米を炊いてやろうと心に誓った。そしたら日本からはしゃもじと梅干を忘れずに持参しなければ。また、その時には軟水を買わねばならないのかもしれない。