AstroImageJ を使ってみる

muttent'z さんのところでも紹介されており、先日の「東日本連星ゼミ(仮称)」でも Meineko さんの実演もあった、連続測光ソフト Astro ImageJ を使ってみた。いつもは、AIP4WINを使っているので、それとの比較もすこし。使用したPCのOSは Windows 7 64bit 版 。

私は、変光星を観測しており、連続で一晩にたくさんの画像を撮影する。これの連続測光データ処理を行うのに、AIP4WIN の Multi Image Photometry を使用してきた。児童で連続測光処理をする要件としては、
 ・一度にたくさんの画像データを扱えること
 ・ガイドミスや雲がかかったりして、フレーム中の星の位置がずれたりしても追い
  かけてくれること。
 ・結果を適当なスタイルで出力してくれること。
 ・光度グラフを描いてくれて、保存できること。
というころになろうか。

ソフトの入手先は、http://www.astro.louisville.edu/software/astroimagej/ のダウンロードのページから、Windows 用の Zip ファイルを選択。解凍するとすぐに使用できるようになる。

マニュアルの後ろのほうにある Step-by-Step Instruction をたよりに、ファイルを読み込ませて測定すると、このようにいくつかのファイル展開し表示される。処理は、指定したフォルダ内すべての画像をメモリに読み込んで処理するので、高速である。

イメージ 1

特徴的なのは、グラフのパラメータ豊富さ、測定から得られるデータのすべてとそれらの演算結果が表示できる。AIP4WIN がQuick LOOK のグラフ表示しかできないのに比べて、強力である。

測定結果は、Measurements Window に表示される。これを Excel ファイルとして、保存できる、というか Excel でしか保存できない。AIP4WIN の場合にはテキストファイルである。
イメージ 2

測定にあたって、画像のバイアス、ダーク、フラットなどの前処理は、画像表示 Window の Process → Data Reduction Facility から、CCD DATA Processor Window で行うことができる。このとき、FITS Header のUpdate を指定すると、HJD、BJD などのデータも生成してくれる。ネットに接続してあれば、Astronomy.net に接続して、Plate Solve して、WCSも調べてくれて、その値から 高度を計算して、Airmass も出してくれるようである。
試してみたが、Astronomy.net のアカウントが必要であり、持っていないので、できなかった。同じPCに、Astronomy.net はインストールしてあるので、これが使える設定があると良いのだが。

先ほどの、Measurements ファイルには、FITS Header を読み込んで、それぞれのデータが書き込まれるのだが、なぜだか、BJD_TDB の欄だけは、Header にはあるのに、書き込まれない。

複数枚の画像で、位置が違っても、追いかけて検出してくれる機能は、うまく動作する。始めと終わりでこのくらいずれても追いかけてくれる。
イメージ 3

当初は、AIP4WIN に比較して、あまり良くないのでは、という気がしたが、Aperture Photometry の大きさの設定の問題のようだ。ただ、それぞれのソフトの設定のパラメーターの値の意味が違うようなので、比較は難しい。

とまあ、機能がてんこ盛りで、使うのがなかなか難しいが、良いソフトだと思う。もうすこし使い込んでみたい。