自転車のリムを使った MLA を改修・復元

自転車のリムを使った MLA を改修・復元した。

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このアンテナは数年前に製作したもので 11~15MHz まで同調するので 14Mhz 専用として使っていた。当時はやり始めた JT65 での通信で 20W くらいのパワーで南米と QSO できたこともある。モーターコントローラーが故障してしまったのでとりはずしていたもの。

改修にあたっては

 ・チューニングの範囲を広げて 14、18MHz のアマチュアバンドで使えるように

 ・有線のリモート制御を WiFi

とした。

まずはバリコンを駆動するステップモーターを5相からバイポーラタイプに交換。国産オリエンタルのモーターなのに軸径が 6.35mm となっておりジョイントを加工しなければならなかった。

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次に固定バリコンの羽を2枚抜いてチューニング周波数が 12 ~ 18.5 Mhzとなるようにした。モーターのドライブはローテーターのコントロール用に作った予備基板をそのまま使う。今のところチューニング用一個だけだがマッチング用のモーターもコントロールできるようにしてある。

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この基板をバリコンアセンブリの中に入れようと思ったが保守性を考えて分離製作にした。このように実装、最終の雨対策はもうすこし。

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シャック内のコントローラーはこんなふうで、これも以前に製作したローテーターをベースにしたものである。

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チューニングコントロールWiFi の通信は ESP-NOW で行うが電源のラインは必要。以前は6本のラインが必要なのでマルチケーブルをシャックから引いていた。

 

これまではモノバンドだったので給電ループの位置は SWR が 1.0 になるように結合度を調整して固定していた。今回、14・18 MHz とバンド切り替えを行うと給電ループの結合度が違うため特性が変化する。両 BAND にベストな位置は双方に中途半端な SWR となる。しかたがないのでそれぞれにベストな位置をマーキングしてバンドの切り替え時にはその位置にクランプで固定することにした。

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追い込んだ SWR 特性はこんなふうでかなり良い。

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14MHz 帯で今主流となった FT8 で通信してみる。

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カザフスタンの局と交信できた。

PSK Reporter で見てみると伝搬状況がよくわかる。これは今朝の受信状況、アメリカからの電波が良く届くので何度かコールしたがいかんせんパワーが弱いためひろってくれない。

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 なんどかトライしていくつかの局と交信できたけど、このアンテナは耳は良いが声は小さい、というかんじかな。小さいながら十分楽しめる。