ザ・ピーナッツの映像はひどかった、のに思うこと

NHKのBS2で「歌伝説・ザ・ピーナッツの世界」をやっていた。
懐かしい歌がたくさん出てきて面白かったが、映像はひどかった。

ザ・ピーナッツが引退したのは、昭和50年2月(1975年)である。
カラーテレビが全国に普及したのはその2~3年前だそうだから、映像の
ほとんどが白黒である。
NHKの看板番組の「紅白」ですら、白黒でしか記録がないようだ。
それも、きちんとしたものでなく、画面のゆすれたものを平気で出していた。
当然、音は吹き替えだからゆすれないが。

NHKがハイビジョンできれいな映像をとか、未来のテレビで4000本スーパーハイビジョンといっても昔はこんなものだったのだろう。
NHKがというよりは日本全体が技術力が低く、また、記録を残すという文化がなかったのだろう。「風と共に去りぬ」は1939年の作品であるが、非常にきれいなカラー映画であり、第二次世界大戦末期のアメリカ側の戦争記録映画はカラーのものがたくさんある。
日本では、1958年の現皇后陛下の婚約記者会見でもぼろぼろの映像しか残っていない。
さみしいことである。

過去のことは、まあ、しかたがない。
10年後、20年後、ハイビジョンの映像をちゃんと見ることができるのだろうか。
ソニーのベータで収録したものはもはや見ることができない。
10年前、姪が結婚したとき、結婚式場内の記録はVHSのビデオのみであった。
そのとき、私が写真をたくさんとって、アルバムにして贈ったが、いまでもよろこばれている。写真をとったのは私だけだったからだ。

これから先、メディア変換をくりかえしていかなければならないのだろうか。