台湾 旅のメモ 博物館

今回は2つの博物館に行ってきた。故宮博物院と鶯歌にある陶磁博物館である。

故宮博物院
数えてみたらこんどで4回目である。最初に行ったときには、甲骨文字の実物を見てとても感動した。それから続く金文(青銅器に文字がかかれたもの)を飽きもせずみていた。書かれたもの、文字にシビれるタイプである。
2度目は新婚旅行。宋の時代の書家蘇軾の前赤壁賦のあざやかな筆使いと歴代の皇帝たちの所有したしるしの印鑑になぜか感心した。最上階で昔の居室が再現されており、その前の茶室で飲んだ龍井茶がとてもおいしかった。
3回目は雨だった。別館で食べた広東料理がとてもおいしかった。テーブルが小さくて、持ってきた料理を無造作に皿の間に重ねて置いてくれたのを覚えている。
どちらもたくさんの展示物があり、めまいがするほどだった。だから、ひとつのテーマしかみることができなかった気がする。解説もあったが、バックグラウンドなどはあまりなかった気がする。

今回、改装になって初めてである。とても分かりやすい展示になっていた。照明もアンダーでかっこよく、そのかわり、展示物は圧倒的に少なくなっていた。甲骨文字はみつけることができなかった。
このよう展示は博物館の流行なんだろう。先日、上野の科学博物館に行ったら、おなじように解説が多くて、展示物は少なくなっていた。なんだかインターネットをみているようでとてもさみしかった。ヨーロッパのこれでもかというくらい展示物がある博物館がすきだ。現物を見ることができるというのが良いところなのに、なにか勘違いしているきがする。

陶磁博物館
台北から電車で30分ほどいったところに、陶磁器の街として有名な鶯歌がある。ここに陶磁博物館がある。スペースもゆったりとった、贅沢なつくりで3階まで吹き抜けの玄関ホールになっている。これも趣味ではない。日本の悪しき箱物行政の見本みたいなつくりだ。暑い台湾でエアコンも大変だろうと、いらぬ心配をした。
展示物は日本統治時代からの鶯歌の歴史もまじえて、産業展示も半分くらいあり、悪くはないが、やはりここでも作品の展示物は少ない。
台湾で活躍している現代作家たちの茶道具作品を展示していた。アバンギャルドなものから伝統的なものまであり、楽しめた。作家の茶碗を1個買った。NT$500(2000円)だが上品な感じ。これでお茶をたててみよう。

博物館は展示物だと思う。これでもかというものがたくさん見たい