自作 自動観測ソフトの評価

5月6日に自作の自動観測ソフトの始めての実戦テストを行った。

ソフトの仕組みは単純である。

1.観測リストを用意する。リストの構成は、テキストファイルで

star        RA              DEC
AH Vir     12h14m 58.7s  +11°45'02"
GR Vir     14h45m 59.6s  -06°47'01"
AH Vir     12h14m 58.7s  +11°45'02"

というふうにして観測する数だけ記述する。

2.Rubyスクリプトで、望遠鏡のコントロールソフト、CCDカメラのコントロールソフトに
Win32APIでコマンドを与える。

LX200のコントロールソフトは、DC-3 Dreams の LX200ACP
ずいぶん昔にWin95の時代にDemo版をもらったもの。LX200へのコマンド送受信と
表示をしてくれるので、自前でコードを書くより楽である。

CCDカメラコントロールは、SoftwareBisque の CCDsoft である。

いずれも、HELP を見ると、Win32APIのレファレンスが出ておリ、適当なパラメーターを
わたせば、LX200を動かし、CCDカメラを制御してくれる。Rubyには標準でWin32API を
操作できるライブラリがある。

3.プログラムは、次のように動作する。

① 観測リストファイルを開く
② LOGファイルを生成する
③ 観測リストから、読み込み、LX200をその位置まで動かす。
④ 移動が完了したら、時刻とLX200が示している位置をコンソールに表示し、LOGファイルに記録する。
⑤ CCDsoftに、星名とフィルターで撮影ファイルができるようにセットして、撮影開始。
今は、Vフィルターのみの撮影となっているが、UBVBIすべて可能にしてある。
⑥ 撮影が終了したら、時刻と星名をコンソールに表示し、LOGファイルに記録する。
⑦ 観測リストが無くなるまで続ける。ファイルENDを検出したらLOGファイルをクローズ
して終了。LOGファイルは以下のように。

2012.05.06.19:58:24 Observe START
19:58:24 Telescope 13H11M33S 13.192777777777778 -4.13'10 -4.219722222222222
19:58:24 Filer V PY Vir     13h11m 10.5s  -04°13'29"
19:59:46 Telescope 13H11M35S 13.193055555555556 -4.13'10 -4.219722222222222
19:59:46 Filer V PY Vir     13h11m 10.5s  -04°13'29"
20:00:27 Telescope 13H11M35S 13.193055555555556 -4.13'10 -4.219722222222222
20:00:27 Filer V PY Vir     13h11m 10.5s  -04°13'29"

2012.05.06.21:02:38 Observe END

デバッグモードなので、望遠鏡の位置がLX200からDouble のデータで来るのを直接出力している。

実際に運転してみた結果、プログラムは意図したとおり動いている。
以下、不具合点、改善点など。
1.どこまで実行しているのかわからないので、行番号をつけて、表示したほうが良い。
2.このプログラムとは関係ないが、LX200のポインティング精度が良くなく、10~20分ほどずれている。しかし、位置の再現性は良い。
3.3時間で240回ほど撮像した。つまり、120回ほど望遠鏡にMOVEコマンドを与えたことになる。これが、良いことなのか。LX200あは耐える設計になっているのか。観測のスタイルをもう少し検討する必要があるか。

自動観測は、もともと、晴天が続いているのに、観測を終了して寝なければならない、ということをどうにかしようと考えたものだ。
望遠鏡の稼働率を望遠鏡、観測室の安全性を確保したままでできるようにすること。
これが目標。
初期の目的は達しているが、スライディングルーフの電動化も含めてトータルで解決しなければならないだろう。