Cube SAT などのアマチュア帯衛星受信用に 145/435MHz 共用のシンプルなアンテナを製作し、MFT2020でもローテーターと共に展示した。
スペックとしては、製作したローテーターに載せることを前提にして、
八木アンテナないしはその派生系
・大きさが 1m×1m 以内
145Mhz 3~4 エレメント
435Mhz 3~6 エレメント
・145/435MHz 共用で1本のケーブルで使える
145Mhz とその約3倍の周波数で共振するモード
ということになる。
ネットで検索するとすでに製作例がいくつもある。その中で横幅を小さくした形の例が
エレメントを少なくしたものが、このあたりに
これらの製作例を参考に、こんな形状のアンテナとなった。145MhHz 帯は MOXON という折り曲げエレメント 2 エレ八木の形式。これにより、アンテナの横幅を 70cm 程度に納めることができる。給電エレメントを約3倍に共振させて、短い 435MHz 帯のエレメントでゲイン、指向性をかせぐというスタイル。
このアンテナを MMANA-GAL でシュミレートしてみると、145MHz 帯での特性は
435MHz帯では、
なかなか、いい特性になっている。
というわけで実際に製作した。
給電部やエレメント部分はけっこう面倒で作りにくいので PCB とSAM コネクタ使って製作した。エレメントは4mmの真鍮パイプを半田付けしている。
測定してみると、145MHz 帯の特性は、ほぼ設計通り。
ところが、435MHz 帯は共振点が 10MHz ほど高いほうにずれてしまっている。
製作したアンテナで実際に衛星からの電波を受信してみる。下の画像は中国の衛星 CAS-4B のビーコンを受信したもので、CW、GMSK の信号をとらえることができた。ドップラーシフトで斜めに流れているのがそれである。
435MHz 帯のダウンリンクのある、やはり中国の LilacSat-2 の GFSK の信号も受信することができた。アンテナの SWR がさほど良くない周波数で、衛星のダウンリンクは円偏波とのことだが、指向性に助けられているのだろう。
というわけで、145Mhz / 435MHz 共用アンテナは実用になりそう。目的とする 435MHz へどのようにしてチューニングをとるか、研究課題である。