Pico Balloon のこと

気球・バルーンと言えば1月にアメリカで撃墜された中国の偵察気球。これはかなり大きなもので搭載機材の重量も数トンという。

一方で主としてアメリカのアマチュア無線のチームが飛ばしているのが Pico Balloon である。直径1m程度の気球に重量10g Tracker をぶら下げている。動力はなく、ただ浮いているだけなのだが、高高度まで上昇するとジェット気流に乗って地球を周回する。

各種センサーを搭載し GPS で自らの位置を把握し、主として 14MHz 帯 WSPR というモードで各種テレメトリを送信している。電源は超軽量のソーラーパネルで電池は搭載していないので夜になると停止する。送信出力は 20mW 程度であるが、低電力でも通信できる WSPR のおかげでかなり遠くからでも電波を受信することができる。

先月のことになるがアンテナ研究会のアメリカメンバーが製作し、彼らのチームが打ち上げた Pico Balloon K6EAU-11 が日本付近を通過するとの連絡を受け、受信を試みた。受信機は IC-7400、ソフトは JTDX を 14.0956 MHz WSPR モードに設定する。

いろいろな Pico Balloon の位置がわかる SondeHub Amature から位置を確認すると、ターゲットの K6EAU-11 はすでに日本を通過していた。一時間近く追跡したが受信できなかった。

このときの JTDX の画面はこのようで、東北付近を通過しようとしていた Pico Balloon K6STS-22 の電波を受信することができた。

調査したところ、他にも QK2ZEA も Pico Balloon であることが確認できた。


ところで、この日は受信開始から1時間ほどの間に WSPR でいろいろなところから出している電波を受けることができた。受信した局のログからグリッドロケーターで表示してみると、こちらは前述の K6STS Pico Balloon

こちらは、QK2ZEA Pico Balloon 、ちなみに Q からスタートするコールサインは Pico Balloon とのこと。

こちらは、台湾の BX6ABC 、このかたは MLA48 のメンバーでもある。

こちらは、066VZF というコールサイン。大西洋の真ん中なので Pico Balloon のような気もするが良く分からない。

こちら 0B6COP のコールサインで受かったもの。海の上を動くものらしいが、詳細は不明。

0I6DVO で受かったもの。なんだろうか、何かを定点観測しているのだろうか ?

0D6XGF のコールサインで受かったもの。南極の基地なのだろうか。

うーむ不思議。

ちなみに受信に使ったアンテナは自転車の RIM を使ったマグネチックループアンテナ。

2014年に製作して、いくつかの改良を行って10年近く使い続けている。ついこのあいだ不調になって バリコン BOX を開けてみたら水が溜まっていた。もう少し使い続けるために修理中。