MEADE LX80 を Onstep に換装 準備・調査

新しい年になった。
特別に新年の抱負というのがあるわけではないが、今年は、やりかけのまま放って置いたものを完成させたり、不要なものを整理することを加速させようかと思う。

というわけで、観測後電源を切り忘れたため、過負荷になり壊してしまい、長いこと放置したままとなっている MEADE LX80 赤道儀を Onstep に換装して、復旧させることにした。
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MEADE LX80はこんなに立派なマウントで、そのままにしておくにはもったいない。故障の原因は、過負荷によりDEC MOTORハウジングが熱で変形してギアがかみ合わなくなってしまったことにある。
以前にも修理を試み開腹してみたことがあるが、モーターユニットを交換するか、ギア部を作り変えるしかない。いまのところ、MOTORユニットは一個だけなら、ZIZCOから入手できるようだが、このユニットはモーターが高温になりやすく、通常の使い方でも同じような故障を引き起こすおそれがあり、ギア部分を金属ハウジングなどに組み替えなければ安心して使用できない気がする。

そこで OnStep への換装であるが、
 ・ST4やPCから自動導入ができる程度にしてできるだけシンプルに
 ・なるべく入手しやすい安価な部品を使う
 ・コントロール、モータードライバ基板などを本体に収納するようにする
という方針で臨むことにした。

Onstep 化には、ステッピングMOTOR とOnstep ドライブ基板が必要となる。基板は比較的簡単にできるが、ステッピングモーターは、ちょっと難題。
LX80 のモーターアセンブリは写真のようになっている。ウォームギアについている平ギアはそのまま使う予定。大きく見えるが、実装できるステッピングMOTOR は最大 長さ 60mm×40mm×40mm 程度となるだろうか。赤径・赤緯とも、同じアセンブリである。
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使えるステップモーターの大きさとしては、NEMA11~17 くらいかなと思うが、なかなか小形のものは、国内メーカーでは良さげなものは見つからない。
Aliexpress でさがしたら、このようなものが見つかった。大きさは、28mm角で本体長は60mm くらい。Φ6mm 20mm の軸が付く。

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このモーターは、遊星ギアなので、中心に回転軸がある。通常のギアだと、中心からずれたところにあり、小さなギアをつけることができるが、これだと、LX80のウォームについている平ギアを駆動するためには、直径30mm以上必要である。また、ギア比は、5.18:1で高速運転時にトルクが足りるかどうか。ギア比が14:1、19:1というのもあるが、長さが10mm ほど長くなり、実装ができるか。いろいろと疑問なところもあるが、比較的安いこともあり、テストのため 5.18:1のものを一個発注した。

Onstep 基板は、CONFIG でギア比などの設定を行えば ArduinoMEGA版がそのまま使えるが、大きすぎて本体に収納できない。なので今一番HOTな STM32 Blue Pill版を採用することにした。このCPUボードは使ったことがり、Aliexpress では$2 以下で手に入り Teensy よりもはるかに安価にできる。Wikiでは基板のデータも公開されており、それを使ってそのまま中国のメーカーに発注して作ることもできるが、MEGA基板よりも大きく、やはりLX80本体に実装することができない。これは、公開されている回路図を参照して新規に基板を設計することにした。
モータードライバ基板は、高性能なLV8729を使用するのが流行のようであるが、手持ち在庫もあるので前回と同じく A4983 を使用した基板を使う予定。
他にもDS3231リアルタイムクロックやUSBシリアル、電源ボードが必要なので、該当のモジュール基板を Aliexpressに発注。到着したら、基板設計に反映していく。