イタリア北部旅行 6 ピアチェンツァ街中

 ピアチェンツァの朝。朝食はボローニャのと同じ。ハムやチーズ、ヨーグルトの他にクッキーが何種類もある。ケーキにペストリーが並び、こちらではそれで済ませる人が少なからずいて、それが常識という意味だな。
 
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 支度をして部屋を出る。勝手に表参道と名付けた道をゆくと、スーパーがあった。名産のサラミ、チーズにお惣菜と大変お安く、それだけで大興奮。デリカテッセン売り場では肉料理の隣に炊き込みご飯を添えたものがあって、お弁当みたい。でも添えているご飯が白飯というパターンはなかった。つまりイタリア人が日本のお弁当見たら白飯なんぞ寂しいとか思うのかもしれない。
 
 本日は大聖堂に入ってみた。ステンドグラスが美しい。段々教会見物が気に入っていく。広場にはツアーらしい観光客が沢山いた。日曜の朝とて夫婦で散歩している組もいて、ご主人が奥様のお尻をなでまわしながら歩いていた。
 
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 案内所を目指す。城巡りについての資料を探し、お姉さんに相談するためである。
ここピアチェンツァの中にはイタリアで最も美しい村に選ばれた場所もあるらしい。そんな村を擁する城、城を擁する村だと思えばちょっとは見てみたい気がする。
 
 中には、要塞の村というのもある。断崖絶壁の上の石造りの村に人々が住んでいる。地上からの外敵の対応で済んだ時代の名残であり、基本排他的で、時代が違えばよそ者で異人種異教徒の私なんぞはいきなり火あぶりだったところ、いう意味だ。
今はと言えば、「うわー、ディズニーランドだあ」「あらまそうよね、中国にはこんなのないわよねー、まあ楽しんでらっしゃい。ほほほほほ」ってなもんだろうけど。
  
 というわけで案内所に赴き城巡りのバスツアーについて聞いてみた。地図ではバス路線は南に向かってシャワーのような線を描いている。隣同士の城に行く道はあるようだが、バス路線はあるかどうか。そんな道はめったに出会えない風光明媚な景色、またはなーーーんもないところであることは間違いない。
 
 案内所の、まつ毛まで金髪の女子が親切に一緒に考えてくれた。まず、本日のバスは皆出発してるということ。明日の月曜は城は皆、休館日であること。それでも良ければ周囲の村だけ見て来るという手があるということ。城はあちこちに散在しているから、朝早く出て帰りのバスは夕方までないというのから、1時間に1本出ているのまで選択の幅はあるということ。ワイナリーと城巡りというのもあったが、これは7000円ほどかかり、さらに食事もつかないというので夫、却下。
 
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 何はともあれ明日の話なので、ピアチェンツァ旧市街を歩く。まずはボルネーゼ宮殿。チケット売り場と大書してないので入り口の2階まで進んでしまい、1階まで戻ってチケット購入。だが売り場のお兄さんが気を利かせて従業員専用エレベーターで2階まで送ってくれた。
 
 お兄さんは日本人かと聞き、うちの美術館のボッティチェリは日本で公開されたこともある、とかなんとかいうので、素晴らしいことである、日本人はボッティチェリが大好きだとテキトーなことを相手はイタリア語で、こちらは英語で話す。
 
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 城は美術館でもあれば馬車の博物館にもなっていた。実際問題、ボッティチェリは1枚しかないようだが、ボッティチェリをあんなに間近で、しかもたった二人で見たのは初めてだ。馬車の博物館には英語で説明してくれるボランティアがいた。お終いには葬式のご遺体を運ぶための馬車まであった。
 
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 その後、ポー河を見に行った。アルプスから流れる水は清く流れは豊かで、水の色は写真で見る乳頭温泉に似ていた。本日も快晴で、何はともあれ暑かった。
のども乾いたしお腹が空いたので、途中にあるバーガーキングでお昼。
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 これまでは立派な朝食のおかげでお昼は要らなかった。ここに来て身体が我に帰ったのか。空腹と運動量は必ずしも比例しないがいくらなんでも歩きすぎだ。注文は各国語対応のタッチパネル。肝心のお味はといえば、日本の方が美味しかった。肉の違いか??
 
 疲れたので水とビールを買っていったんホテルに帰り、洗濯と昼寝。夕食が遅いので一日が長い。夕食時間まで時間をつぶすべく今度は貴族の邸宅を見て歩く。時間も時間なので、外から見るのみ。外側の作りが色々凝っていて、中庭が広い感じ。植物には凝っていなくて、お決まりのアジサイとバラ、たまにインパチエンスが植えられている。スーパーでモモとチーズを買ってから、レストランに赴く。
 
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 日曜なので、選択の余地はあまりなさそうに見えた。7時半にはやっているだろうと思ったローマ通りの店の中は薄暗い。やがて中から出てきた人が、「うちにも日本人がいるよ」と言った。羽生結弦みたいな美青年が出てきて、店は8時からだけど7時45分には着席出来るということ、後でまたお話をしましょうと言った。それでまたうろうろ。
 
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 お腹が空いてようよう時間をつぶして店に行く。ガーデンピクルス、タコ、詰め物をしたパスタ、牛肉のタリアータはレアかミディアムかと聞かれる。タリアータって薄切りのやつだと思っていたが、違うようだ。わけわからないが、もうどーでも良かった。1人前をシェアすると言ったら、二つの皿に盛り分けてくれた。

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 ワインを決めるとき、ご当地のワインがいいと言ったら持ってきて、ソムリエナイフで
コルクの周囲をしゅっと回し切った次の瞬間、「そういえば当地のこのワインは発泡性だがそれでもいいか?」って、切ったあとでそんな!夫、ノーと言ってくれて別のが来た。
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 外の席での食事の後、美青年とお話をした。北海道出身26歳だそうで、イタリアの都市を2年くらいづつ店を替えて回って修行しているらしい。もう何年かしたら帰ろうかと思っている、と。一番好きなのはナポリの料理だとも言った。安い素材を上手に料理するらしい。
 
 メニューの中には soy vinegar を使ったという料理があったから、美青年が作ったのかもしれない。私たちはそれを注文するにはまだ日が経っていなかった。
 
 厨房から日本人が出てきたのは初めてだったが、最近では修行中の日本人は沢山いるらしい。一方、高級料理としてお金がとれるからというのであちこちに日本料理の店があるが、それをやってるのは大部分が日本人ではない。一体このねじくれかたは何なんだ。こんな旅行をあと何回出来るのかわからないが、昔はこんなではなかった。このうえどんな風にねじくれていくのだろうか。

本日、28000歩。疲れすぎて寝る前に足裏シートを貼るのさえ忘れる始末。