LX200のバランス確認

ここ3日ばかりと晴天だった。特に低気圧が通過した直後はクリアな空だったのに、観測システムの不調で、うまく観測できなかった。望遠鏡LX200側、自作したMOTOR FOCUSERが調子が悪かった。今日は、原因究明と対策、調整を行った。

原因は、簡単に言えば、望遠鏡の動きによって、ケーブルが引っ張られたため、接触不良になったりしたもの。それなりに余裕をもたせて、ケーブルもまとめたりしているのだが、いろいろと望遠鏡を動かすうちにひっかかったようだ。MOTOR FOCUSERはMOTORへのラインが半田付けがはずれそうになっており、しなおして回復。この機会にと、ドライブのステップモーターをギア比が5:1から12:1のものに交換。もうすこし細かく調整できるようになった。

さて、表題のLX200のバランス、FilterWheelも付けているので、重量級CCDカメラやガイド鏡などいろいろと乗せているのですこし気になっていた。STARIZONAの解説ページによると、バランスがとれないのは、諸悪の根源ということのようだ。バランスの調整の方法がくわしく説明されている。それらを参考にしながら調整した。

赤緯軸が水平のときに、バランスがとれるように調整した。ただ、重心と赤緯軸が一致していないようなので、水平から±30くらい傾けると静止しない。これでバランスが取れているとは思わないが、いろいろと搭載しているし、ウェイトを取り付けられる場所も重量も限られているので、しかたがない。

LX200マニュアルによると、BALANCEというメニューがあり、これを起動すると、鏡筒が高速で赤緯方向に動き、バランスが取れていないときには、電流計のLEDが赤点滅する、という記述がある。これでチェックしたところ、問題ない。また、パネルには、LED表示の電流計があるが、これも表示もほぼ等しい。

MOTORが動くときの電流をもっと精密に測定すれば、バランスの状態を検出できるのではないかと考えて、LX200の動作電流を測定する治具を作って、電流を測定してみた。結果は下記のとおりで、望遠鏡を南中方向、東西それぞれ45度に傾けたところでの、東西南北に最高速で動かしたときの電流値である。

1.赤緯軸の水平位置でバランスを取ったとき

.      恒星時駆動   東    西     北    南
南中方向 0.45      1.55  1.53   0.7  0.7 A
東45度  0.45      1.85  1.80   0.7  0.7
西45度  0.45      1.55  1.53   0.7  0.7

2.鏡筒北側(接眼部)が重い状態でのアンバランス

.      恒星時駆動   東    西     北    南
南中方向 0.45      1.55  1.53   0.7  0.85 A
東45度  0.45      1.85  1.80   0.7  0.85
西45度  0.45      1.55  1.53   0.7  0.85

アンバランスの時には、南北に動かしたときの値が違う。望遠鏡が低い位置で赤軽方向に動かした時、電流値が違うということは、バランスがとれていないということなのだろう。
電流値はDMMで測定しているが、結果的には、LED表示(1目盛100mA)で見るのとあまり変わらないものとなった。
今回は、手法を検討したところまで。測定の方法・記録も含めて、もうすこし検討してみる必要がありそうだ。

それにしても、大型望遠鏡のバランスはどのように調整しているのだろうか。