私の観測では、ひとつの星をフィルターを切替ながら連続して何枚も撮像することが多い。このため、時折、人工衛星や流星が写りこむ。先日、ST-9のフィルターを取り替えて、試験観測を行った際のデータを整理していたら、点滅する人工衛星がとらえられた画像を見つけた。
写真は、食変光星 AP LEO をターゲットにしたもので、観測時刻は、4月6日21時55分21秒、フィルターなし、露出は30秒。写真の左下矢印の位置に点滅して移動する天体がある。写真は上が北、右が西となっているので、東から西に動いている。フィルターのあるところにピントを合わせているので、ピンボケ画像となっている。
続いて、46秒後に、Blueフィルターでの画像、ピントが合っているので、もうすこしくわしく、点滅が明るいのと暗いのが交互にあることがわかる。露出時間は30秒なので、明暗が1.5秒に1回点滅していることになる。
LX200-25は、f=2500mm レデューサーを取り付けているので、CCDカメラの画角は、20′×20′ほどになる。よって、写りこんだ天体は、地上近くの飛行機などではなく、ほぼ間違いなく人工衛星であると思われる。人工衛星は移動しているため、通常は輝線となって写るが、このように点滅するのは、初めてである。この天体は、3等級くらいと思われ、自身がが光を発しているのではなく、自転して太陽の光を反射しているのではないだろうか。形が球体でないため、明暗の点滅になったのだろうと推測している。